組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「書面審議とWeb会議」について。

 

コロナ禍以前から「環境対策」という名の下で、「会議資料のデジタル化」が進んできていました。

約30年近く前のサラリーマン時代に、法律やガイドラインの基礎になる審議を会議形式で実施し、その事務局を担当したことがあります。

その際に、各委員に配付する資料は、キングファイル約1冊分になり、それを委員と事務局の人数分印刷して、資料の項目毎に耳(見出し)を付ける作業は、膨大で、コピー機はフル稼動状態でした。

 

約20年前には、審査員教育の事務局をしましたが、その時は、各セクションの担当講師に講義資料の作成を依頼するのですが、期限を設けても、多くの講師が資料を送ってくるのは直前。

中には、手書きの資料もあり、それらを研修会の参加予定人数分、印刷して用意するのは、とても大変な作業でした。

 

それらを考えると、今は、資料は全て電子化されており、リアルな会議の場では、各委員にタブレットを渡しておき、そこに予め、会議資料を入れておけば、印刷やファイリングの手間はありません。

 

そして、この2年ほどのコロナ禍で、審議が必要な会議の多くも、Web会議になりました。

Web会議の場合は、会議資料は、「画面共有」で担当者が映し出して説明します。

説明が一段落した後に、各委員から質疑がありますが、たいていは、画面には、資料が映し出された状態で、各委員から質問が飛んできて、回答に対して、更なる質問や反論があります。

リアルな会議の場でお会いしたことがある委員なら、「言葉はきついが、この委員の性格的なもので、念のために確認しているだけだな」などと、Web会議を通じて発せられる発言から状況がイメージできます。

しかし、会ったことがなく、お顔や人柄がわからない方とWeb会議で審議すると、「回答について、好意的に受け止めてもらった」のか「疑いを持って突っ込みをされているのか」様子がわからないので、意外と、審議案件の当事者である場合は、リアルな会議よりも、私はしんどいです。

 

先日、ある組織に訪問すると、その組織では、経営方針や年度事業計画について、非常勤役員を含めた役員会を「書面会議」で開催していました。

「書面会議」とは、コロナ禍で、集まるのが難しいため、事前に資料を送付して、各役員から質問や意見を収集して審議するやり方です。

Web会議との違いは、リアルタイムで、各役員から質疑があるのではなく、書面による質疑なので、他の役員の質問と担当部署の回答といったやり取りが、全体として見えないことです。

 

「なぜ、Web会議でなく、書面会議なのですか?」とお聞きすると、「役員が高齢化しており、Web会議に不慣れなため」とのことでした。

また、事前送付の資料を確認すると、「分量が多いから」との理由で、一部の資料は送付されておらず、また、役員の事前質疑事項に対する担当部署の回答が議事録に反映されていないので、「十分な議論がされたと言えるのだろうか」と他人事ながら心配になりました。

 

今後、世の中は、どんどんリアルな会議から、Web会議や書面会議に切り替わっていくものと思いますし、これから委員として参加する世代は、「Web会議」に慣れていると思いますが、会議のやり方を工夫しないと「形式的な会議」になってしまうこともあるのではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ793号より)
 

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