2022年5月に、同僚が「地下鉄の専用席」に座っているのを注意されたことに腹を立てた自衛官が高校生を暴行した事件が発生しました。

ご存知の方も多いと思いますが、JR各社や私鉄の多くが「優先席」として位置付けている座席が、札幌市営地下鉄では、「専用席」となっており、このことが、このトラブルのきっかけだと考えられます。

 

2022年6月14日付けの読売新聞によれば、

◆調査結果によると、札幌市営地下鉄の専用席利用者における対象者の割合は93.4%

◆関東の地下鉄の優先席における対象者の割合は、19.9%

◆専用席・優先席の空席割合は市営地下鉄が55.4%、関東が22.1%

◆対象者が立っていた割合は、市営地下鉄が13.2%、関東が46.6%

◆各調査データから、市営地下鉄では専用席が空席の場合が多く、対象者が座りやすい状況

◆札幌市営地下鉄は「専用席」、札幌市電やJR北海道バスは「優先席」

◆市営地下鉄は、1974年に優先席を導入したが、1975年に専用席にあらためた

(※高齢者らから「対象者なのにあまり座れない」といった声が上がったため)

・・・

ということです。

私は、札幌で暮らすようになってから20年以上になりますが、当初は、通勤時などの混雑時でも、専用席に誰も座っておらず、違和感を覚えました。

札幌在住の仕事仲間や友達に「座らない理由」を聞くと「座らない習慣になっているから」や「お年寄りなど対象者が座れないと困るから」といわれました。

 

確かに、札幌市民の認識としては「地下鉄の専用席は、対象者以外は座らないもの」として定着していて、座っているのは、観光客など道外者と思われる人が多いです。

また、「混雑時に座っていたら、対象者が座りたくても座れない」という考えも理解できます。

 

ただ、個人的には、車内がほどよく空いているときでも、専用席に誰も座らないのは、違和感があります。

特に、コロナ禍以降は、一般シートに隙間なく着席するより、間隔を空けるために、明らかに専用席対象者がいないことが確認できる車内状況であれば、感染対策やコロナ禍のマナー、あるいは、地下鉄の急ブレーキ時の安全対策などの観点から、「専用席を利用」するといった臨機応変さが、必要だと思いますが、札幌市民は、ほぼ頑なに、専用席には座りません。

 

冒頭で話題にした「腹を立てた自衛官が高校生に暴行した事件」は、札幌市営地下鉄沿線に自衛隊(陸上自衛隊真駒内駐屯地)があり、転勤で札幌以外から引越しで居住した自衛官が、一般の鉄道事業者が採用している「優先席感覚」で利用し、札幌在住の高校生が、「専用席の目的に対する正義感」と「札幌市民の常識」から注意したことで起きた事件だと私は推測します。

 

私は、札幌市営地下鉄に関しては、「専用席であっても、状況に応じて臨機応変にそもそもの対象者以外も利用すべき派」ですが、世の中には、融通の利かない人もいるので、専用席に「まわりに対象者がいない場合は、どなたでもご利用できます」といった但し書きを入れ、車内放送でも車掌が、車内における携帯電話マナーのように、繰り返し案内するべきだと思います。

 

話題は、ずれますが、コロナ禍以降、バス協会が推奨して、各バス会社が実施している「バス車内の先頭座席の利用不可」(感染予防)は、いい加減、解除して欲しいと思います。
 

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