2022年6月10日付けのテレビ朝日が、
「4年間で“総額5億円”か…葛飾区が保育所に補助金“誤支給”なぜ?」
と題したニュースを報じていました。
ご存知の方も多いと思いますが、この問題の概要は、
◆葛飾区が私立の認可保育園へ補助金を誤って多く支払っていた
◆支給額は、87の保育園に対して、4年間で、総額で5億円に上る可能性がある
◆補助金は、私立の認可保育園がパートの保育士を雇用すると、区から支払われていた
◆補助金の請求には、区の職員が作った表計算ソフトを使用していた
◆この計算式が誤っていた可能性(保育士の数が2倍)があり、補助金が多くなった
◆補助金は、園児の年齢で請求人数が決まり、0歳児なら人数が3倍などかなり複雑
◆間違いは、2022年3月に葛飾区役所で判明した
◆弁護士によると、区の計算式を信じて、犯意がなければ、保育園を罰することはできない
◆葛飾区は保育園に全額返還を求める方針
ということだそうです。
このニュースを知ったとき、表計算の計算式のミスは、一般的なビジネスでも「あるある」です。
ただし、国や自治体が事業者や市民に「配付した表計算式」を利用させる場合は、一般のビジネスより、影響を受ける利害関係者の数が多いので、「なぜ、しっかりと、表計算ソフトの妥当性をチェックしなかったのだろう」と思います。
一般論として、表計算ソフトを作成した場合、保育園において保育する園児年齢と人数を。数パターンを用意して、手計算と表計算で結果が同じになるか、チェックすると思います。
私自身、会社の総売上や取引先毎の売上、営業経費などを表計算ソフトで簡単な算式を組んで、経営状況をチェックしますが、算式を組んだ時は、電卓で計算し、表計算の算式に誤りが無いか、チェックしています。
「自治体がやっていることだからしっかりしているはず」と私たち市民は、そういったイメージを抱いてしまいますが、葛飾区は、文字で書かれた条例や内規を作成、承認するときのように、表計算ソフトについても、作成、承認手順を見直すべきだと思います。
ちなみに、仮に、葛飾区が、ISOマネジメントシステム認証を受けていた場合、認証審査でこの「計算ミス」がわかれば、葛飾区が作成している他の表計算ソフトについても、水平展開して、誤りが無かったか、誤りがあった場合は、なぜ、間違ってしまったのかの原因と再発防止を実施し、認証機関に報告しなければ、認証継続はできません。
また、自治体ですから、内部監査の仕組みがあると思いますが、こうしたチェック体制についても、有効性がなかったと言えるでしょう。
現時点では「87の保育園に、4年間で約5億円の補助金を過剰支給した」と言われているので、単純計算で、保育園あたり、1年間で約144万円、4年間で約575万円が過剰に支払われている計算になります。
常識的に考えれば、この額を各保育園が全額返金するのは、困難でしょう。
保育園の経営で、人件費が占める割合は、約6割と言われているので、人件費以外で削減できる経費は限定的で、結果的に、短期間で葛飾区が全額返金を求めるとしたら、各保育園は、パート保育士を切り、正規職員の賞与などを削るしかなく、雇用環境の悪化により退職する職員が発生し、保育の質低下を招くのは明らかでしょう。
私見ですが、葛飾区の区民感情を考えれば、補助金は税金なので、保育園から返金を求めることは、やむを得ないとは思いますが、「根本的な過失は区にある」ので、例えば、「過去2年間の過払い分について無利子で10年返済」など、保育園に多大な負担にならないような落としどころを見つけて欲しいものです。
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