コロナ禍で、大きく働き方が変ったのは、なんといっても「テレワーク」や「リモート学習」が日常的になったことでしょう。

ただ、私の予想ですが、これら「テレワークの発達」は、なんらかの工夫をしなければ、結論的には、弊害がボディブローのように効いてくるのではないかと思います。

 

話は少し逸れますが、日本漢字能力検定の2006年と2016年のデータから「この10年間で成人の漢字を書く能力が低下したこと」がわかったそうです。

パソコンやスマホ、タブレットの普及と漢字の書き取り能力に、因果関係は、まだないそうですが、教育現場にパソコンやタブレットが導入され急速に普及した時期と重なるので、「影響がある可能性が高い」と考えるのは自然でしょう。

 

コロナ禍におけるデジタル教材は視覚効果や教える側と学ぶ側が、離れた場所にいても双方向性に優れており、効果的かつ効率的であることは確かでしょう。

しかし、これは、「手書き学習を経験した人」、「教室で同級生と一緒に学習した経験がある人」にとって「効果的かつ効率的」という話です。

物心がついたときから、「デジタル教材によるリモート学習主体」の教育を受けた世代にとって、言語能力や認知能力、他人とのコミュニケーション能力などへに影響がないとは、言い切れないと思います。

 

話をテレワーク(リモートワーク)に戻しますが、私は、仕事、プライベートを含め、「リアルにあったことがない仕事関係者、友人、知人」は、現在、殆どいません。

例えば、現在、主に協力関係で仕事をしている組織の方のほとんどが、コロナ禍以降、殆どお会いしていませんが、それ以前には、何度も会って直接話したことがある人ばかりです。

 

しかし、コロナ禍で、新規契約した仕事仲間と話をしていると、リアルに会ったことがないので、「距離感がある」と言います。

確かに、私も、コロナ禍以降に採用された取引先の新規職員の方とは、「冗談や雑談」を発しにくく、相手の人柄や特徴がわからないので、どこか他人行儀なやり取りになってしまいます。

 

30年近く社会人経験をしてきた私たちにとっては、リモートワークは、「通勤の時間が削減された」、「文書の印刷や配付などがなくなり楽になった」などメリットが目立ちますが、これは、「仕事仲間とリアルに同じ場所で仕事を一緒にしていた経験があればこそ」の話です。

組織でものごとが決定していくプロセスや組織の不文律の決まり事など、いわゆる良い意味での「社会人の常識」や「業界の慣習」は、新社会人や業界経験のない中途採用者には、「学ぶ機会がなかなかない」のが現状ではないかと思います。

 

先日、中途採用された職員の方から業務連絡が来ました。

仕事の役割としては、この方を介して、相手先との事前折衝をするのですが、「無用なメールの往復」が続き、前に前進しません。

詳細は省きますが、この中途職員の管理職が、机を並べて、一緒に仕事をしていれば、「この仕事はもう任せて大丈夫だな」とわかるのですが、管理職と中途職員のやり取りもリモートなので、管理職に、この中途職員の現在の力量が把握し切れていなかったのではないかと思います。

 

もちろん、通信販売や航空券や新幹線、宿泊予約のように、日常生活のデジタル化、リモート化は、便利な面が多いでしょう。

しかし、仕事仲間とのコミュニケーション、部下の能力把握、取引先との折衝、組織秩序の理解・・・などは、これまでの「リアルな場での業務経験」があってこそのものです。

つまり、現状、「リモート化で便利になった」というのは、「リアルな業務経験やコミュニケーションというベースがあってのおつり」のようなものです。

ほどよく「リアルな教育や業務経験の場」を設定しなければ、弊害が顕在化してくるように思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ793号より)

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