日本郵便近畿支社は、2022年5月24日に、美原郵便局の元局員が、約4カ月にわたり、自宅に隠したり、雑木林に放棄したりした郵便物は全体で計約1万3千通だったことを発表しました。

 

マスメディアの報道では、

・元局員は20歳だった

・25日以降、差出人に連絡して再配達などの対応を取る

・近畿支社長は、記者会見で「深くおわびしたい」と陳謝した

・元局員は、2021年9月下旬~2022年1月中旬に、担当郵便物の未配達を発生させた

・未配達の郵便物は、持ち帰ったり、雑木林に捨てたりした

・廃棄等の理由は「勤務時間中に配達できず、他の職員にも相談できなかった」とため

とのことです。

 

土地勘がないので、美原郵便局の配達エリアの環境がわかりませんが、元局員の年齢から想像すると、入社1~2年目の若い職員でしょう。

分譲住宅のような団地であれば、配達は慣れれば容易だと思いますが、区画整理されておらず、配達車両のオートバイが走れないような山道や坂が多い地区だと、配達量に対して、時間を要するでしょう。

 

したがって、

・そもそも、若手職員の能力に適した配達エリア、配達量だったのか

・配達完了を監視する仕組みはあるのか

・配達が時間内に終わらないことが予想される場合のバックアップ体制はあったのか

といった点について、最低限、業務フローや手順、基準の見直しが必要です。

 

 

これまでも、この手の「郵便物を廃棄するなどの未配達事件」は、しばしば報道されてきました。

したがって、例えば、軽ワゴン等の郵便車両には、ドライブレコーダーが装着できると思いますが、配達用のオートバイについても、GPSの装着による配達状況の監視は、必要だと思います。

配車係が配達員の動きを監視することで、予定時間より配達の進捗が悪ければ、応援や対応指示を配車係ができるはずです。

このように、業務を見える化して監視し、継続的に業務手順や担当替え等の見直しができるようにしなければ、今後も似たような事件は起きるでしょう。

 

それにしても、元局員が自宅に隠していた郵便物は再配達できると思いますが、雑木林に廃棄された郵便物については、どうなるのでしょう。

このような「配達リスク」を考えると、利用者としては、重要な書類等の配達は、書留かレターパックなど、配達記録が残るもので、できるだけ送るしか、現状できることはないのかな、と思います。
 

 

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