2022年5月11日付けの読売新聞が、

「「国立病院機構」が運営の病院元課長を収賄容疑で逮捕…業者に便宜図り接待受ける」

という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば、(※一部筆者が編集)

◆「国立病院機構」が運営する下志津病院の元企画課長が収賄容疑で逮捕された

◆また、贈賄容疑で電器製品販売会社の小松電器社長が逮捕された

◆元企画課長は、小松電器が随意契約で受注できるよう便宜を図った

◆見返りに、飲食接待(約60万円相当)やシャツ等(約30万円相当)を受け取った

◆小松電器は、既に機構側に大規模な接待攻勢をかけていたことが判明している

◆2022年3月に機構本部と12病院の職員計28人が解雇や停職などの処分を受けている

◆元企画課長は、この28人に含まれていなかった

・・・

ということだそうです。

 

この記事だけではわかりませんが、気になるのは、

・3月に懲戒処分を受けた28人に収賄容疑の逮捕者はいたのか

・懲戒処分を受けた28人の見返りは、金額レベルでどの程度だったのか

という点です。

 

一般論ですが、これだけ広く小松電器が国立病院機構に入り込んでいると言うことは、すでに処分されている28人と元企画課長以外に、小松電器が受注した当時の担当職員についても賄賂を受け取り、不正に随意契約をしていなかったか、検証する必要があると思います。

(※Webサイトで有限会社小松電器を調べると、建設業許可(一般建設業の電気工事)宅地建物取引業許可を保有している企業です)

 

それにしても、国立病院機構の随意契約基準は、どのように規定されているのだろうと思います。

元企画課長の収賄容疑は、報道では、合計約90万円です。

この金額に見合った小松電器の受注金額は、少なくとも1000万円弱だと思います。

1000万円以下の工事契約は、入札ではなく、随意契約が認められる規定だったのかもしれませんが、随意契約であったとしても、その工事契約が妥当内容かつ選定理由か、業者との癒着の噂はなかったか、といった社内のチェック機能(例:内部監査)が機能していれば、防げた問題かもしれません。

国立病院機構は、関係者の懲戒処分だけではなく、しっかりと購買先管理の仕組み(マネジメントシステム)を見直ししてほしいものです。

 

少し話が脱線しますが、贈収賄罪について、収賄容疑は、基本的には、公務員(みなし公務員含む)に対して刑法で処罰されます。

私は、新卒で就職した組織の職員時代は「見なし公務員」だったので、新入社員研修で、民間業者との付き合いについて、徹底して教育されました。

 

ただ、現代なら「アウト」ですが、1990年代は、「ちょっと高めのランチミーティング」や「乾杯の挨拶程度のアルコールを含む常識的な価格の晩飯」は、「円滑なコミュニケーションのための常識の範囲」として、感覚的ですが、事実上、許されていたように思います。

 

それと、「収賄容疑は基本的に公務員」と前述しましたが、「民間人であっても賄賂の収受や約束などをする」と、罪に問われる可能性があります。

その法的根拠は、「会社法」です。

会社法の「第967条」では取締役や会計参与などの贈収賄罪を定めていますし、第960条では特別背任罪も規定されています。

また、一般社員であっても、会社法の贈収賄罪や特別背任罪は問われませんが、会社に対して損害が発生したことを理由に、「刑法第247条が定める背任罪」には問われる可能性があるので、注意が必要です。

 

正直な所、1000円程度の弁当で手心を加えることはありませんが、公的な組織の場合は、「公平性」と「外部からどう見られているか」という観点で、訪問中は、コーヒーやお茶の提供レベルにとどめておくことが大事なのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ802号より)
 

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