社会人になって約30年。
これまで奉職してきた職場や独立後に協力会社として関わっている職場が、特に変っているとは思いませんが、敢えてひとつ挙げるとすれば、私が、50代半ばになったいまでも、業界内では「若手」と言われることです。
ISOマネジメントシステムに関する業界で仕事をする人は、大きくは、認証機関、コンサルティング会社、教育研修機関、業界専門メディアなどがあります。
ただし、定期的に新卒採用する組織は少なく、殆どの審査員、コンサルタント、講習会講師は、企業である程度の業務経験を経た方がなっています。
私が社会人になった頃の「定年」は、多くの会社が60歳。
そのため、企業で先が見えてきた50代から、認証機関やコンサルティング会社、研修機関に転じる人が多かったです。
つまり、私が30代半ばの頃は、業界経験年数としてはベテランの域に入っていましたが、新たに業界に参入する方の多くは50代なので、「20才以上年上の新人」を訓練指導するということが多かったです。
ちなみに、日本のISO認証機関や教育研修機関が設立されたのは、殆どが1990年代前半です。
設立当時の認証機関や研修機関の実質的な中心世代は40歳前後ですが、30年経った今も、この「第一世代」の半分ぐらいは、現役で仕事をされています。
したがって、50代半ばの私が、いまでも「若手」と言われてしまう所以です。
このように、審査員やコンサルタントとして「年上の新人教育」をする機会が多かったのですが、今回は「審査員の教育訓練」について回顧録的に振り返りたいと思います。
認証機関の教育方針も色々あると思いますが、多くの場合は、一人前の審査員になるまでの訓練は、複数の指導審査員が教育します。
審査員を目指しながら、途中で挫折してしまう方もいますが、スキル的な問題としては、「受審側とのコミュニケーション」、次に「人間性」(時間にルーズ、指示を守らないなど)ではないかと思います。
あと、経済的な面での「挫折」もあります。
一人前の審査員になるまでに、未経験者の場合、最低でも半年、長ければ、1年程度掛かります。
そのため、「企業に所属し、企業の支援がある訓練審査員」は、問題ないのですが、企業を退職した人にとっては「審査員報酬を得られるようになるまで」が「試練の時間」なのです。
審査におけるコミュニケーション能力があり、礼儀正しく、笑顔で、前向きな人間性がある訓練審査員が、次に悩むのは、「認証規格の要求事項を、限られた時間内で確実に審査したかどうか」という点です。
結論から言えば、こうした悩みを持つ訓練審査員に私は、「規格のshallは、現地審査では、気にせずに、組織の手順とその運用事例を検証してください」といいます。
訓練審査員を指導する指導審査員の中には、「shallの確認」を執拗に求めてくる方がいるのですが、これを気にしすぎると、限られた時間内で要領よく確認することは、審査慣れしていない訓練審査員の場合は、まず無理でしょう。
訓練審査員を初回登録の組織で担当しない限り、現地審査以前に、手順で「shall」が確認できていれば、現地では、「手順に沿った運用がされていること」が確認できれば、「訓練審査員としては合格」と私は思います。
月並みですが、認証機関の審査員として一人前になるには、訓練審査員時代に、「その人にとっていい出会いがあったかどうか」が大きく影響する、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ793号より)
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