2022年4月28日付けの神戸新聞が、
「神東塗料、不正は計552製品に 水道管用とは別の工業用でも 高沢社長が謝罪「多大な迷惑かけた」」
という見出し記事を報じていました。
記事によれば、
◆中堅塗料メーカーの神東塗料は、工業塗料等、合計552点についての不正を公表した
◆不正は、顧客に求められた検査をしなかったり、検査結果を偽ったりしていた
◆不正は、全製品中の約15%に該当し、件数ベースで合計467件
◆不正の原因は、開発担当者が一部の担当者に限られていたため
◆技術部門は人事異動の機会が限られていた
ということだそうです。
神東塗料は、東証スタンダードに上場している塗料メーカーで、2022年1月に水道管用の合成樹脂塗料の認証取得試験で不正を行い日本水道協会の認証を不正に取得していました。
この件については、その後、特別調査委員会を設置し、調査した結果、「一部の製品では2001年から不正を行っていた可能性が高い」ことを明らかにし、「製品の安全性については、衛生性に問題がない」と報告書で説明しています。
「水道管に使用する塗料」なので、消費者目線では、「衛生的な問題は無い」といわれても、その他の製品でも不正が長年に亘っていたとの報告は神東塗料に対する不信感が募るばかりです。
他の報道では、神東塗料が製造した塗料は、クボタ製の水道管に使用されているそうで、1月の合成樹脂塗料の不正公表を受け、水道管工事の施工がストップし、納期遅れも生じているそうなので、「社長の役員報酬2ヶ月50%減」という処分だけで、事態の収拾を図るのだとすれば、甘い処分に感じます。
月並みですが、検査不正が相次ぐ三菱電機でも、今回の神東塗料のように「担当者が長年、同じ人だった」ことが不正の原因として挙げられていますが、これは、「リスクであり、人事の脆弱性」であって、「不正の真の原因」ではなく、組織文化やガバナンスの仕組みを変えなければ、意味がありません。
ちなみに、神東塗料は、JCQAでQMS(ISO9001)、EMS(ISO14001)の認証を取得しています。
認証機関は、自らの認証審査の妥当性検証と神東塗料に対する措置(例:特別審査や認証の一時停止など)をしっかりと実施し、結果を公表して欲しいものです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ800号より)
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