立憲民主党の岐阜県連常任顧問を務め、衆議院議員を4期、参議院議員を2期務めていた山下八洲夫氏が、詐欺などの疑いで逮捕されたそうです。
2022年5月9日付の時事通信社によれば、
◆山下氏の容疑は、詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑い
◆4月27日に、東京駅の駅員に偽造した国会議員用申込書を提出した
◆中身は、東京-名古屋間の往復の新幹線特急券・グリーン券計2枚(2万9500円相当)
◆議員時代に支給されたJR無料パスを提示し、現職の国会議員の名前で申し込んでいた
ということです。
山下容疑者が、国会議員を落選したのは2010年。
ワイドショーなどの報道では、今回だけで無く、落選した12年前から、何度も利用している疑いがあるそうです。
いわゆる「JR無料パス」は、「鉄道乗車証」という名称のカードで、国会議員名と期限が印字されています。
疑問なのは、記事にあるように「議員時代に支給されたJR無料パスを提示し・・・」ということは、すでに有効期限が切れているはずですが、乗車券を申し込む際に、窓口のJR職員は、気づかなかったのでしょうか。
議員在職当時の無料パスに記載された議員名、有効期限をJR職員がしっかり確認すれば、現職の国会議員名が書かれた申込書と一致しないので、そこで気づきそうです。
今回、発覚したのは、詳細は不明ですが、発券時にミスがあり、名前を勝手に使用された議員にJRから問い合わせがあり、そこで発覚したそうです。
JRと航空会社に対して、この「国会議員特権」は、年間で合計約10億円の予算が確保されているそうです。
新幹線以外は、パスを駅員に提示すれば、乗車できるようですが、申し込みが必要な指定席券やグリーン券については、使用明細や履歴をJRや航空各社は国会事務局に提出し、議員に、利用歴がトレースできる仕組みが必要だと思います。
名前を勝手に使用された議員が何人いるのかわかりませんが、この12年間の使用歴を遡れば、山下容疑者が「だましとった無料パス代」は、算出できそうです。
国民の「血税」ですから、しっかりと返還してもらいたいものです。
以下、私の余談です。
20年以上前のことですが、当時勤務していた会社の社員が宿泊すると、宿泊料が割引されるホテルがありました。
私は、ホテルのフロントの人と顔なじみになり、宿泊時に、社員証を提示せずとも、自動的に割り引かれていました。
その会社を退職後に、出張で、そのホテルを利用すると、顔なじみのフロントマンが、「お久しぶりです」と挨拶してくれました。
忙しそうだったので、「実は、今は別の会社に転職し・・・」という話はできませんでした。
チェックアウトの際に領収書の明細を見たら割引された額。
おそらく、「割引特典がある会社の社員」として扱われたようです。
その件があって、なんだか泊まりづらくなって、その後は、別のホテルを利用するようになりました。
山下容疑者は、どんな気持ちで無料パスを利用していたのだろう、と思います。
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