2022年4月19日に、各メディアが、神戸市水道局の男性職員3人とその上司2人の合計5人に対して懲戒処分(停職3日間)が下ったという報道がありました。
各メディアの報道から、この懲戒処分に関する状況は、以下のとおりだったようです。
・男性職員3人は、2021年4月以降、難病により障害がある男性職員に暴言を吐いた
・障害のある職員に対して、「はげ」、「ポンコツ」、「どうせしぬんやから」などと発言
・また、居酒屋で、鍋に入った、くずきりを首筋に落とし、やけどを負わせた
・2021年11月に水道局でのマナー研修中に、この職員らが性的な話をしていた
・マナー研修の女性講師が「セクハラにあたる」と指摘した
・神戸市は、第三者委員会を設置して、調査すると、他の職員に対してもパワハラがあった
・障害のある職員は、2018年4月~21年12月に、料金徴収などの担当部署に勤務していた
・被害を受けた男性職員から「これ以上処分をしないでほしい」という内容の嘆願書が出された
私自身の経験ですが、サラリーマン時代の職場に、障害者の方(職場においては先輩)がいました。
障害の程度はわかりませんが、話し方に特徴があり、仲間内で、その方の話題をするときは、よく、その方のしゃべり方を似せて話したことがありました。
障害者の職場の先輩を直接からかうことはありませんでしたし、馬鹿にしていたつもりもありませんが、「しゃべり方をまねること」は、今の時代なら確実に「侮辱行為」と捉えられるでしょう。(大いに反省です)
話題を、神戸市水道局の話題に戻しますが、「男性職員3人のパワハラ、セクハラ」が顕在化したのは、「マナー研修の講師の指摘」により、「第三者委員会が設置され調査されたこと」なので、マナー講師の「ファインプレー」です。
しかし、逆に考えると、外部講師の指摘がなければ、パワハラやセクハラは、顕在化せず、被害を受けた人は、「がまんするしかない」状態だったということなので、組織ガバナンスとして、問題です。
パワハラ、セクハラを行った男性職員3人の上司に対しても懲戒処分が下されたことは、神戸市が「パワハラ、セクハラを放置した上司の責任」についても言及したもので評価できますが、「停職3日間」では、「とんだとばっちりだよ」という認識で、何も変らない気がします。
重要なのは、パワハラ、セクハラがあったときに部門責任者が実態を把握して、注意・指導することと、同一職員によるパワハラ、セクハラが続き常態化したときに、自部門以外に組織内苦情を上げることができる仕組みの確立です。
サンテレビの報道によれば、障害者男性職員は、「これ以上処分をしないでほしい」という内容の嘆願書を出しているそうです。
もしかしたら、「この騒ぎで、水道局内での仕事がやりにくくなることを懸念」し、嘆願書を出しているのかもしれません。
こういう問題は、ガバナンス体制の改善以外に「こういう発言や行動はヤバい」という「組織内の空気感」を組織職員全体で、醸成していくことが、解決の道です。
「昔の価値観」や「男社会の価値観」が残った部門や環境にいると、本人に悪意はなくとも、パワハラ、セクハラが「許される環境」(加害者は、パワハラ、セクハラだと認識していない)なので、現代社会の価値観と、どんどんずれて言ってしまうのです。
月並みですが、ひとりひとりが、アンテナを張って、現代社会の価値観の変化に対応することも必要不可欠なのです。
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