2022年2月27日に「乗りものニュース」が、

「関西~九州トラックの拘束時間ほぼ半減 西日本初「中継輸送」実験 山陽道で」

という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば、(※筆者が一部編集)

◆国土交通省広島国道事務所とNEXCO西日本が「中継輸送」の実証実験を行う

◆実証実験の期間は、2022年2月28日から3月11日までの平日10日間

◆トラックの中継場所は、山陽道の宮島サービスエリア

◆実験では、関西と九州から来たトラックのドライバーが宮島SAでトラックを乗り換えする

◆東京~関西の間はいくつか拠点が整備されてきました西日本では初の試み

◆宮島SAは神戸市と福岡市から300kmほどの位置にある

◆トラックを乗り換え、戻ることで、福岡発は約7時間、神戸発は約8時間の拘束で済む

◆神戸~福岡の約600kmの往復は、約15時間拘束となり、時間外労働または宿泊を伴っている

◆実証実験には横田運送、福山通運、佐川急便の3社が参加する

とのことです。

 

「働き方改革」や「トラックドライバーの人手不足」を解消する対策として、国土交通省が音頭を取ってこのような実証実験に取り組むことは、基本的には、よいことだと思います。

 

ただ、現実的には、懸念される点として、

・荷崩れなど積み荷の事故が発生する

・積込や荷下ろしのミスが発生する

・貨物事故や積込・荷下ろしミスの責任の所在が曖昧になる

・他の営業所所属の車両になるので日中の使用ができない可能性がある

といったことが挙げられます。

 

トラック輸送の世界は、積み荷のサイズや重量が同一であれば、積み方や荷下ろし手順は標準化できますが、多くの場合は、サイズや重量がバラバラです。

それらの荷物を、いかに効率的かつ安全に積み込みするかが、トラックドライバーの個人的ノウハウとなっています。

つまり、自分が積んだ荷物は、責任を持って品質と安全を確保できるが、人が積んだ荷物は、責任が持てない、と考えるドライバーが多いと思います。

したがって、「チャーター便」で「荷物の形状や重さが一緒」なら、「中継輸送」は、効果が期待できますが、積込や荷下ろしが何カ所にもなる「混載便」では、輸送品質や安全面に、今のままでは出ると思います。

 

また、私は、仕事を通じて、物流企業に訪問することが多いですが、トラックドライバーには、

「時間外手当をもらって稼ぎたい」という人も一定数います。

要は、「拘束時間や待機時間が長くても、稼ぎたい」という人が一定数います。

もちろん、労働基準法があるので、1日の上限13時間(原則)などを順守した上での話ですが、月間の手取りが減るような取組みは、実は、現場は歓迎しない人が多い、ということもあります。

 

運行計画やドライバーコストの管理経験がないので、実態はわかりませんが、知人の運行管理者に聞くと、運輸局が公開している適正運賃を荷主や元請企業がきちんと守り、国交省がしっかり、取り締まれば、運送会社の経営は、ひっ迫せず利益が出るそうです。

 

この30年間、国民の平均年収と物価は横ばいで推移してきた日本で、私たち庶民は、「みんなで我慢」して、その生活に慣れてしまいました。

急激なインフレは、困りますが、通常の努力をした先にある適正価格やコストアップを私たちは、許容していかなければならないのだと思います。
 

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