組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「サブプロセスの製品に関する専門性」について。
ISOマネジメントシステム(QMS、EMS、OHSMSの場合)において、ある組織を審査する場合、言わずもがなですが、
・認証範囲とする組織外部に提供する製品及びサービス
・認証範囲とする組織機構とサイトの範囲
を明確にして審査を実施します。
認証機関は、組織から申請された認証範囲について、該当する産業分野を割り当て、その産業分野を審査できる審査員を担当審査チームとして選定します。
認証機関として、認証業務上、複雑になるのは、産業分野が多岐に亘ってる組織です。
極論ですが、
・従業員が1000人の電子部品の設計、製造をしている組織(分野19)
・従業員が30人の金属加工、プラスチック成型、機械の仕入販売(分野17、14、29)
では、認証機関事務局としては、後者の組織の審査管理の方が、複雑さが高くなります。
「複雑さが高くなる」の具体的なこととして、
・後者は、従業員数が少ないため、担当審査員はひとりの可能性が高い
・ひとりの審査員で、該当分野の審査力量がある審査員を選定する必要がある
・該当産業分野全てを満たす審査員の日程に空きが無い場合、技術専門家の選定が必要
・産業分野毎の審査ガイド(製品プロセス、業界慣習、法規制等)のメンテナンスが必要
・審査プログラムを管理するのが単一製品の製造組織より難易度が高い
・審査員の該当産業分野に対する力量維持の管理が生じる
・・・
などが考えられます。
また、該当産業分野は、2つ(例:分野12(化学製品)と分野25(電力供給))であるが、売上(生産)比率で捉えると、分野12が全体の99%、分野25が1%未満というケースも管理システムをしっかりと構築しなければ、認証機関は、「適切な認証審査と認証業務管理がされていない」と認定機関から評価されてしまうでしょう。
このようなケースの場合、認証業務上の仕組みが適当だと、認証審査に選定する審査員は、「分野12の産業に明るい審査員」を真っ先に考えると思います。
しかし、この組織は「自社設備で、自社用の電力を自家発電し、余剰電力を売電している」(分野25)としたら、分野12に加えて、分野25の力量がある審査員を選定しなければなりません。
しかし、登録時の初回審査や3年毎の再認証審査では、それなりの審査工数が確保できますが、年次で実施するサーベイランスは審査工数が限られているので、認証機関事務局としては、審査をひとりで担当してもらいたくなるわけです。
認証機関として管理がしっかりしていれば、サーベイランスや再認証審査で「どの製品プロセスを審査するか」を審査プログラムで明確にしていれば、必ずしも、毎回の審査で分野12と25を満足する審査員を選定する必要はありません。
しかし、このあたりの管理が、審査管理上、結果的には問題ない審査が実施されていたとしても、「認証機関のマネジメントシステム」として捉えると「認証業務の管理方法が確立されていない」という評価を認定機関から受けることになるでしょう。
上記の例は、「化学製品」と「電力供給」なので、大規模化学プラントでの業務経験がある経歴の審査員なら、マネジメントシステム審査の力量的には問題ないでしょう。
しかし、認証範囲に、例えば、機械装置の製造会社(分野18)が、
・新規事業として、損害保険サービスを実施している(分野32)
・新規事業として、飲食サービスを提供している(分野30)
というようなケースは、なかなか、認証業務のマネジメントシステムの構築を工夫しないと、ひとりの審査員で全ての該当分野を満たすことが難しくなります。
審査される組織の立場で考えれば、たいていは「サブプロセスよりメインプロセスをしっかり審査して欲しい」はずですが、認証業務の管理としては、サブプロセスの管理も軽視できないことに注意が必要なのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ790号より)
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