組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「食品安全マネジメントシステムの非通知審査(システム変更)」について。

 

食品安全マネジメントシステム規格に、「FSSC22000」という規格があります。

このFSSC22000規格は、ご存知のように、

・ISO 22000:2018

・ISO/TS 22002-X:20XX(※前提条件プログラム)

・FSSC 22000追加要求事項

から成り立っています。

 

※前提条件プログラムは、すべての食品産業について、同じ前提条件プログラムでは管理できないので、分野毎に適用される前提条件プログラムが、主に以下のように設定されています。

・畜産業・水産業:ISO/TS22002-3

 ・食品製造:ISO/TS22002-1

 ・ケータリング:ISO/TS22002-2

 ・容器包装製造:ISO/TS22002-4 

 ・輸送及び保管サービスの提供:ISO/TS22002-4

 ・小売り/卸売り:PAS221

 

このFSSC22000では、ISO22000では要求がない「非通知審査」が要求されています。

非通知審査で要求されている主な事項を要約すると、

・3年以内に非通知審査を実施する必要がある

・初回審査での非通知審査は不可

・組織の要求があれば更新審査を非通知審査にしてもよい

・非通知審査は、事前に通知してはならない

・審査除外日(生産の稼働が極端に下がる日、主担当者不在等)を設定することができる

・審査員がサイトに到着してから1時間以内に生産施設の審査を実施しなければならない

・認証組織が非通知審査を拒否した場合は、認証を一次停止しなければならない

・サイト外活動(例:倉庫、配送施設)があれば非通知審査期間中に審査を実施する

などが求められています。

 

非通知審査において、システム変更審査(例:適用製品の追加)を実施する場合は、以下の注意点があります。

・内部監査

・マネジメンレビュー

・フローダイヤグラム

・ハザード分析

・・・・

要は、食品安全マネジメントシステム(FSMS)のPDCAがまわっていることを確認して、認証審査を受審する必要があります。

 

したがって、通常の通知審査のタイミングで、システム変更をする場合は、受審組織も、「システム変更部分のPDCAの運用例を認証機関に示せるようにしておこう」と気にすると思います。

しかし、非通知審査のタイミングで、システム変更をする場合は、組織は、余裕を持って、臨時の内部監査やマネジメントレビューを計画・実施しておくように、注意が必要です。

 

逆に言えば、認証機関は、「非通知審査のタイミングでシステム変更を実施する場合、組織の内部監査やマネジメントレビューが未実施の場合、その状況によっては、指摘を起票する」必要があると思います。

つまり、システム変更のPDCAがまわっていることを確認した後に、認証を認めるということになります。

 

組織の立場で考えると、

・以前から実施していたが、適用範囲には、今年から追加した場合

・新製品として、今年から適用範囲に追加した場合

の前者の場合は、「以前からやっていたので、いまさら感」があると思います。

しかし、認証を受ける立場、認証審査を実施する立場の両面から、「仕組みが機能していること」を確認する必要があることを再確認しておくことが必要です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ759号より)
 

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