先日、「ゆうちょ銀行」で「法人口座」を開設する手続きをしました。

銀行の法人口座は、管理が面倒になるので、増やしたくないのですが、取引先の管理上の都合だというので、仕方がありません。

 

話は、少し逸れますが、私がゆうちょ銀行で「法人口座」の開設手続きをするのは、2度目です。

現在は、譲渡してしまいましたが、別の会社を立ち上げた際に、「ゆうちょ銀行」で口座を開設したのです。

その理由は、全国各地に店舗があるので利便性が良いことと、もうひとつは、他の都市銀行より、開設が容易だったからです。

 

すでに、10数年前には、マネーロンダリングや特殊詐欺が社会問題となっており、銀行口座の開設は、手続きが面倒になっていました。

しかし、ゆうちょ銀行は、多くの口座が、個人口座で、法人口座開設の事例が少なかったためか、法人登記簿と会社案内、窓口で申請する人の本人確認程度があれば、口座は即日開設できました。

 

しかし、現在では、ゆうちょ銀行のWebサイトによれば、以下の書類が必要です。

1)法人の履歴事項全部証明書(原本

2)ご来店者の公的な本人確認書類(運転免許証等、顔写真付きの証明書類)

3)ご来店者と法人の関係を証する書類(委任状等)

4)法人番号が確認できる書類(法人番号通知書等)

5)法人の印鑑証明書(原本)

6)代表者印の押印がある(主要)株主名簿または(主要)出資者名簿

7)法人の財務状況が確認できる書類で、次の書類のいずれか

 

・直近の決算関係書類(貸借対照表等)

・財産目録

・法人税の納税証明書 等

8)次の書類のいずれか(設立後6か月以内の法人に限る)

 ・所轄税務署あての法人設立届出書(控)

・所轄税務署あての青色申告承認申請書(控)

・主たる事務所の建物登記簿謄本(現在事項証明書)(原本)※1

・または主たる事務所の賃貸借契約書(原本)

 

書類自体は、比較的すぐに揃えられます。

しかし、「これだけの書類を提出させて、事前審査を実施しているので、法人口座を介したマネーロンダリングや特殊詐欺があっても、それは、不可抗力です」といった「言い訳対策」がメインの開設手続きのように思います。

 

開設手順としては、これらの書類を準備して、ゆうちょ銀行の窓口に行き、提出書類が揃っていることを確認して、口座開設の申請書類(※この申請書類は、法人規模(従業員数、売上、設立年月日など)や口座の使用目的、株主構成、反社会的組織とつながりがないことの誓約などの記載をする。ゆうちょ銀行に提出してしまうので、控えはない)を記入します。

途中、何カ所も「社名」や「代表者名」を記入する欄があるので、「ゴム印でもいいか」と聞きましたが、「直筆」とのことで、これも、意外とプチ面倒です。

 

そして、Webサイトには、「審査にはおおむね10営業日かかります」とありますが、窓口では「最大1ヶ月程度かかります」とのこと。

「1ヶ月以上とは、“ゆうちょ銀行でビジネスをするな”、といっているようなもので、お役所仕事過ぎませんか?」とプチ文句。

 

さらに、「口座開設の審査に通った、通らない」の回答は「郵送のみ」だそうです。

ちなみに、審査に通った場合は、「通帳」、「ATMカード」、「ATMカードの仮パスワード」が、それぞれ、「別郵送」(違う場所から発送されるので、同時に到着しない)されるそうです。

私は「これらの郵便は、書留ですよね?書留が3つも来るようですが、法人住所に毎日在宅しているわけではないので、容易に受け取れません。せめて発送日を通知してもらえませんか?あるいは、受取場所を、印鑑証明書に記載のある代表の住所や申請受付郵便局で受け取れませんか?」と相談しました。

しかし、ゆうちょ銀行のセンターに問い合わせした結果は、「NO」。

理由は「郵便事故の恐れがあるから」とのことでが、要は、「前例がない」、「面倒だから」、「余計な事務手続きが増える」、「いちいち個別案件に対応などしたくない」、「末端のゆうちょ銀行窓口が本部に意見するとは何様だ(メンツのため)」・・・などが真相でしょう。

 

話は少し逸れますが、個人名義のクレジットカードの登録住所は、私は、実家にしています。

その理由は、カードの更新の際に、書留で新しいカードが届きますが、現住所だと、単身なので、受け取れず、そのうち、郵便局の預かり期限を過ぎて、戻されてしまうことがしばしばだからです。

私見ですが、金融系郵便物は、「登録住所に配達するのが安全」との勘違いをしていると思います。

以前、友人の自宅で留守番をしていたときに、書留郵便物が届きましたが、配達人は、家から出てきた人を信用して郵便物を渡します。

今回、私がゆうちょ銀行に提案したのは「印鑑証明記載の住所」か「申請窓口ゆうちょ銀行での受取」です。受取時に、本人確認できるもの(例:運転免許証)を提示して受け取るシステムの方が、遙かに安全だと思います。

 

ゆうちょ銀行に限らず、金融機関は、制度設計に想像力がないというか、「自分たちに責任転嫁されないための堅い提出物要求」はしますが、「単身世帯の増加」や「ノマドウォーカー」のような形態の人に配慮した制度設計をしていません。

 

それにしても、「公的書類で届け出ている住所への送付先の変更」や「申請受付銀行窓口での受取」ができない「ゆうちょ銀行の法人口座開設の制度設計」は、面倒なことを全て利用者に押しつける酷いサービスで、欠陥だと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ791号より)
 

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