2022年1月26日の毎日新聞が、
「ウーバー配達員事故 雨なら報酬が…危険運転を生む「クエスト」」
という見出し記事を報じていました
記事によれば、(※筆者が一部編集)
◆20代の男性被告は、2021年4月の配達中に、自転車で78歳の男性を死亡させた
◆配達していたのは、宅配代行サービス「ウーバーイーツ」
◆男性は、業務上過失致死罪に問われ、26日の初公判で起訴内容を認めた
◆ウーバーイーツの配達員には、特定条件の配達を達成すると成果報酬が支払われる
◆成果報酬体系は、「クエスト」と呼ばれ、これが危険な運転を生む背景にあるといわれる
◆クエストは、運営側から配達員のスマートフォンにアプリを通じて通知される
◆「4時間以内に12回配達で1200円」などの内容で配達件数を増やすことが目的
◆クエストには、「雨クエスト」、「日またぎクエスト」などがある
◆配達員歴3年近くの男性は「ゲーム感覚。面白くてモチベーションが上がる」と話す
◆短時間のクエストは「指定回数を配達するために無理する人もいる」と語る
◆労働組合「ウーバーイーツユニオン」は2020年1~3月のアンケートを集計した
◆回答があった事故15件のうち、11件が「クエスト中」だった
◆ウーバーイーツジャパンは、
・警察と連携した配達員向けの交通安全講習会などの事故防止策を実施している
・関わる全ての人が安全でいられる環境作りに取り組む
としている。
・・・
とのことです。
私自身は、ウーバーイーツを2~3回しか利用したことがありませんが、コロナ禍による巣ごもり需要により、宅配サービス産業は急成長しています。
私自身は、ひとり暮らしなので、食事も取らずに、たまっていた仕事を夜中に片付けほっとした時や雨の日などは「腹は減ったが、何か作るのも、出かけるのも面倒だし、食事の宅配サービスを利用するか」という気持ちになります。
つまり、雨の日、深夜などに「宅配需要」がある一方、そのような条件の時間は、逆に配達員が確保できません。
したがって、「クエスト」は、「配達員のモチベーションを上げ、配達員数を確保する仕組み」としては、「よく考えられた仕組み」だと思います。
しかしながら、運営サイドが、クエストという「報酬体系」を企画構築する中で「リスク想定」は、不十分だったといえるでしょう。
そのような記録は残していないと思いますが、運営側が、クエストを企画する中で、例えば「雨の日クエストのリスク」として「視界が悪く事故を起こしやすい危険性」、「配達ノルマを急ぎスピードを出しすぎる」といったことを想定しつつ、「事故を起こしても、配達員は業務委託契約だから、事故の責任は回避できる」といったことを想定していたならば、組織運営上は、大問題です。
今回の事故については、2022年2月18日に判決が出て、区切りとなるかもしれませんが、このような事故を再発防止させないための仕組み作りを運営側は真摯に取り組んで言って欲しいものだと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ787号より)
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