2022年2月15日付けの読売新聞が、

「アサヒビール、神奈川・四国・博多工場の操業終了を計画…ビール出荷減り生産拠点再編へ」

という見出し記事を掲載していました。

 

記事によれば、(※筆者が一部記事を編集)

◆アサヒグループホールディングスは、生産拠点を再編すると発表した

◆人口減少やコロナ禍の影響でビール類の出荷が減少している

◆傘下のアサヒビールの神奈川工場と四国工場の操業を、2023年1月末に終了する

◆両工場では「スーパードライ」や「クリアアサヒ」など、主力商品を製造している

◆両工場操業停止後の生産はアサヒビールの茨城工場、吹田工場などでカバーする

◆神奈川、四国両工場に所属する計137人の社員は、配置転換や再就職支援を行う

◆神奈川と四国の工場跡地利用については検討中

◆アサヒビールの国内工場は8か所から6か所に減る

◆アサヒビール博多工場は2025年末をめどに操業を終了し、近隣に移転する

◆2026年から新九州工場(仮称)として操業を始めるための準備を進める

◆傘下のニッカウヰスキー西宮工場の操業を2024年3月(予定)に終了

◆西宮工場で生産しているハイボールなどの生産機能をアサヒビール吹田工場に移す

・・・

ということだそうです。

 

神奈川工場と四国工場の操業終了は、端的には、記事にもあるように「人口減少」と「コロナ禍による需要減少」が要因です。

課題である「人口減少」は長期的な視点、「コロナ禍による需要減少」は短期的な視点ですが、後者については、「コロナ禍が明けても需要は昔のように回復しない」という長期的な視点でアサヒビールホールディングスは捉えているのでしょう。

 

感覚的に考えても、人口減少以外に、

・コロナ禍が明けても、リモートワーク化で仕事を通じた外食機会の減少

・働き方改革やハラスメント問題で、仕事を通じた飲み会の減少

・若者のアルコール飲料離れ

などは顕著で、「大量生産・大量流通のアルコール製品」の消費量が今後上向く可能性は、殆どないでしょう。

ビール業界で「明るい材料」は、「クラフトビール人気」ぐらいでしょう。

 

「工場操業停止によるリストラ」と聞くと、「守りの経営」のイメージが強いですし、「会社の存在意義は従業員と家族の生活と地域住民に貢献することである」という考えもあるでしょう。

しかし、ビールだけでなく、アルコール飲料を嗜好する人や飲用習慣が減っているので、この「アルコール飲料の需要減少という流れ」にあらがうのは無謀で、経営者としては「雇用は守りたい気持ちはあるが、売上に対する固定費負担による経営圧迫は避けては通れない」ので、今回の発表は、経営的には正しい判断でしょう。

 

神奈川工場のある南足柄市、四国工場のある西条市の立場で考えると、

・法人税収入を失う

・工場勤務者の転出で市民税収入を失う

・市水収入を失う

わけで、財政的に、工場閉鎖は、頭を抱える問題でしょう。

個人的には、神奈川工場と四国工場の跡地利用が気になります。

博多工場は、地理的な観点で、新工場に移転・移行することで生き残ったんでしょうか。

他社を含めて、今後の国内大手アルコール飲料メーカーの動向に注目です。
 

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