ニュースで、ISOマネジメントシステム認証組織の不祥事が報道されるたびに、SNSやヤフコメでは、

「ISOの審査なんて形だけ」

「“サンプリング審査です”と言い訳するから問題があっても責任を問われない」

「審査のための資料作りが増えて、業務に役立っていない」

「認証取得は顧客要求だから仕方なくやっているだけ」

・・・

といった「ISO認証意味がない論」や「ISO審査無駄論」といった声が数多く湧き上がります。

私は、業界人として、

「マネジメントシステムを生かせば、業務改善に繋がる」

「認証審査は、目的を持って審査をすれば、組織の問題点は検出できる」

「ISOの有効活用で組織不祥事は未然に防止できる」

・・・

といったことを主張してきています。

ただ、「組織ぐるみで、悪意をもった不正は、認証審査で検出するのは難しいかな」とも思っています。

 

話題は少し変わりますが、2021年6月29日に千葉県八街市で小学生5人が死傷した飲酒死傷事故が発生しました。

この組織は、2021年8月26日付のチバテレビによれば、

(※筆者が記事を一部編集)

・親会社などを安全運転管理者選任義務違反の疑いで書類送検した

・少なくとも2014年2月から事故当日まで、大型トラック等5台以上を使用していた

・しかし、安全運転管理者を専任していなかった

そうです。

 

道路交通法では、緑ナンバー、白ナンバー問わず、

・定員11人以上の自動車を1台以上使用している事業所

・その他の自動車を5台以上(自動二輪車1台は0.5台で計算)使用している事業所

について、安全運転管理者を専任することが規定されています。

 

話題を、ISOマネジメントシステム審査に少し戻すと、こうした問題は、ISOマネジメントシステム構築段階及び内部監査過程でコンプライアンス的に「安全運転管理者の選任」はされるでしょうし、もちろん、認証審査では、チェックされ選任していなければ、指摘されます。

つまり、事故の遠因である道路交通法順守に組織の意識が向くので、組織不祥事の予防に繋がると思います。

 

それにしても、この八街の事故をきっかけに、「安全運転管理者が実施する業務内容の充実」が法律的に整備されていくようです。

具体的には、

「運転者の運転前後にアルコール検知器を用いた酒気帯び有無の確認記録」

だそうです。

緑ナンバーの組織では当たり前になっていますが、白ナンバーにも適用となると、相当の数の事業者に適用されることになるので、マネジメントシステム審査でも考慮が必要になると思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ765号より)
 

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