組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「本部にサブサイトの資料を持ってきて実施する審査」について。

 

組織が複数の常設サイトでマネジメントシステムを構築している場合の審査工数は、それぞれのサイトの要員数をベースに算出します。

しかし、例えば、サブサイトの活動が限定的である場合、メインのサイト(本部機能)にサブサイトの審査資料を持ってきてもらい審査を実施するケースがあります。

 

この場合(※単純化して考えます)、

1)本部サイトとサブサイトの2箇所を訪問して審査を実施する場合

審査工数=「本部の要員数に対する審査工数」+「サブサイトの要員数に対する審査工数」

2)本部サイトにサブサイトの資料を持ってきてもらって審査を実施する場合

 審査工数=「本部+サブサイトの要員数に対する審査工数」

という考え方を基本に審査工数を算出します。

 

それぞれのサイトの要員数にもよりますが、基本的には、上記のケースの場合、2)の審査方法が1)よりも少ない審査工数となるでしょう。

 

次にポイントとなるのは、

「本部サイトにサブサイトの資料を持ってきてもらって審査が実施できる条件とは何か?」

です。

認証機関にお聞きすると、

・サブサイトの要員数が責任者を含めて数人と限られている

・サブサイトの業務について、設備、機器類を使用しない

・サブサイトの業務活動に関する資料(手順書、記録類)は本部で確認できる

・・・

といった条件が揃った場合である、と言われます。

 

ただ、この「本部にサブサイトの資料を持ってきてもらう審査」の場合、例えば、GFSI承認スキームの食品分野の審査で要求されている「非通知審査」で問題が生じます。

非通知審査は、コロナ禍など非常事態でない限り、通知せずに組織を訪問します。

したがって、サブサイトの要員は本部を訪問しても、在籍していないので審査ができません。

 

そのため、非通知審査の場合は、たいていは、

・別途、サブサイトを訪問して審査する(追加工数あり)

・本部とサブサイトをWeb会議システムで繋いで審査する

・サブサイトの要員が非通知審査期間中に本部に訪問する

といった審査方式を事前に組織に提示し、組織と合意した方法で審査を実施しています。

 

この場合、注意が必要なのは、「別途訪問する」、「非通知審査期間中に本部にサブサイトの要員が来てもらう」は問題ないですが、「Web会議システムで審査する」場合は、「Web会議による審査の成立要件を決めておく」必要があります。

 

個人的には、マネジメントシステム審査の場合、「活動現場でないと確認できない事象」は多かれ少なかれあるので、「少なくとも認証サイクル内で1回は訪問して審査を実施する」ことを基本に審査プログラムを設計し、審査工数を算出しておくべきではないかと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ765号より)

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