(前編からの続き)
話を「経営層に今年度の事業の振り返りや今後の事業戦略、その具体的な方法論をお聞きしたときの話」に戻します。
例えば、次年度の計画として「新工場の設立と稼動」があったとします。
このような話があれば、当然、「新工場はマネジメントシステムの対象としますか?」といった質問をします。
すると、例えば、社長から、
・新工場で生産予定の製品は、今後、安定して受注があるかわからない
・工場の生産が軌道に乗り、品質や稼働率が安定するまでは、生産に専念したい
・マネジメントシステムの適用範囲にするかどうかは、今後の検討としたい
・・・といった話があったとします。
この場合、聞き手側が「では、新工場が軌道に乗るまで、当分は、マネジメントシステムの対象とするかどうかは保留ですね」と結論づけて、この件についての話題を終了したら、「二流の聞き手」です。
わかりやすい例で言えば、この組織が環境マネジメントシステムに取り組んでいた場合です。
環境マネジメントシステムの場合は、マネジメントシステムの対象範囲をサイト単位で考えます。
したがって、対象サイト内での活動は、品質マネジメントシステムのように「対象製品・サービス」と「対象外製品・サービス」という考え方は、基本的にありません。
新工場のサイトが現在の対象範囲外であれば、「新工場の設立・稼働以降について、マネジメントシステムの対象とするかどうかは今後考えます」という理屈は通ります。
しかし、「新工場のコンセプトや設立準備段階」は、対象サイト内の例えば「新工場設立プロジェクト推進部」といったようなプロジェクト部門か既存の部門の所掌で活動しています。
新工場の生産設備をどのように投入するか、ユーティリティのエネルギー源は何を採用するか、生産稼動率や在庫数量をどのように計画するか、工場設置や設備設置に関する街該当法規は何か、地域住民への説明会・・・とさまざまなことを「計画」するのですが、これらが「環境マネジメントそのもの」つまり、「新たな環境側面、環境影響」が存在するのです。
「新工場が稼動してから環境については考えます」は、稼動以降の環境であって、それまでのプロセスで生じる環境については、「環境マネジメントシステムの対象となること」をしっかりと経営者や組織(特に内部監査員)は認識する必要があると思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ771号より)
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