組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「食品安全マネジメントシステム認証表記」について。
食品安全マネジメントシステムの分野は、(※サブカテゴリは割愛します)
・カテゴリA:水産、畜産(動物生産)
・カテゴリB:農業(植物性生産)
・カテゴリC:食品製造
・カテゴリD:動物の飼料製造
・カテゴリE:ケータリング
・カテゴリF:流通
・カテゴリG:輸送及び保管サービスの提供
・カテゴリH:サービス
・カテゴリI:食品包装、及び包装資材の製造
・カテゴリJ:装置の製造
・カテゴリK:(生化学)化学製品の製造
があります。
これらの各カテゴリに該当する組織を「認証」するにあたって、認証機関は、「認証範囲(認証された製品及びサービス)」を明確にする必要があります。
この認証範囲における表記方法は、食品安全マネジメントシステムだけではなく、全てのマネジメントシステムに当てはまる話題ですが、ここでは、食品分野について考えてみます。
《誤解が多い認証範囲の考え方、表記事例》
◆製品の名称に宣伝文句や機能が含まれている
→例:アレルゲンフリー、○○産、高タンパク質食品、無農薬野菜 などを認証表記に
含むことは基本的にできない
◆食品製造(カテゴリC)の組織であるにもかかわらず「〇〇の販売」の表現がある
→全ての組織は「もの」または「サービス」を「売る(販売)」ことによって利潤を上げており「販売」自体が「製品またはサービス」ではない
→“販売”の表記ができるのは、原則、カテゴリFの流通のみ
◆ケータリング(カテゴリE)の活動は、「エンドユーザーに食べ物を届ける活動」
→ケータリング活動のための調理食品を製造する組織は、「食品製造(カテゴリC)」となる
◆小売/卸売業(サブカテゴリF1)における「店内調理」は、F1の範疇にできる
→例:パンの焼き出し、揚げ物
◆輸送及び保管サービス(カテゴリG)は、物理的に保管/輸送する組織に適用
→自社製品の保管や輸送は、カテゴリGには該当しない
個人的に、認証組織の「認証範囲」と「ウェブサイト」を見比べていて、違和感を持つケースとして多いのは、「製造会社なのに販売の表記がある」ケースや「自社製品しか輸送していないはずなのに輸送の表記がある」ケースです。
このような場合、「販売は、この組織の製品ではなく、単なる商行為だから表記できないですよ」とか「輸送は、自社製品のみの輸送であって、輸送をこの組織が他者にサービス提供していないから間違いですよ」と説明します。
しかし、「顧客や消費者に提供する製品またはサービスが認証表記となる」ということが理解できない人は、案外多いので、驚きます。
反論としての台詞は、
・販売部門も審査してもらっています
・輸送現場も審査してもらっています
といったものが多いです。
しかし、それは「組織の活動」として認証範囲に含まれるから審査しているのであって、「サイトの活動」ではあっても「認証範囲(製品またはサービス)」ではないので、「反論」になっていないことは明白です。
基礎教育として、品質マネジメントシステムをしっかり学んだ方が、食品安全マネジメントシステムの審査管理や審査をすると、このような問題はあまりないです。
しかし、「食品安全」がマネジメントシステム認証の出発点の人は、食品現場の技術的なことには長けていても、「マネジメントシステム認証とはなんぞや」の理解が弱い方が多い傾向があるので注意が必要です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ758号より)
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