組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「外部文書に関する回顧録」について。
認証機関で審査活動をしていると、定期的に認証機関内において現地評価を受けます。
また、その認証機関の認定機関からの認定審査を審査員専門だと、審査員数が多い機関なら、10年に1回程度、審査員数が少なく、食品安全や航空宇宙などのセクタースキームだと2~3年に1回は、受審します。
多くの人が「誰かに自らの担当業務が適正かつ適合しているか否かの検証を受けること」は多かれ少なかれ、緊張するものです。
私自身は、監査側、被監査側のいずれも経験がありますが、「自らの仕事の質を高める」ためには、「どちらも経験すること」が大事だな、と思います。
他人の監査を見ることで、例えば、
・なぜ、こんなに本音を聞き出すのがこの人はうまいんだろう?
・こうした切り口でインタビューするのは斬新でおもしろい
・この人は、相手に気づきを与える質問や解説がうまいな
・・・
といった気づきが生まれ、自分が監査するときに生かせるのです。
話題は少し逸れますが、外部講習会で習ったことを、組織に持ち帰って、今度は、講師役として社内の人に説明すると、知識が深まります。
月並みで話ですが、おそらく、人に説明するための資料を作り、話す準備をする中で、曖昧な部分が明確になり、調べるから実力が向上するのでしょう。
もう10数年前ですが、認定機関による立会審査を通算で5~6回受審しました。
当時は、内部監査、認証機関による認証審査、認定機関による認定審査など「審査における指摘」の多くは「文書管理」に関するものが多かったです。
決して、文書管理を軽視してはいけませんが、マネジメントシステム認証制度の日本における黎明期である1990年代は今のように、文書の電子化が進んでおらず、正式な文書には、ハンコが押されていた時代なので、時代背景を考えれば無理もありません。
また、当時の審査における概念は、審査を通じての「プロセス改善」より、審査を通じての「不整合検出」でした。
したがって、
・正式な承認印が無い
・文書間で使用されている用語が不整合
・管理文書と非管理版が識別されていない
・管理版の配付台帳に記載漏れがある
・・・
といった「文書管理」に関する指摘が多かったのでしょう。
私が20年近く前に受審したある認定審査で、審査員から「外部文書」に関する指摘を受けました。
指摘内容は、「審査で使用している規格書が、正式なJIS規格書ではない」という指摘です。
今なら「あり得ない指摘」ですが、私が「ISO規格書」として持参していたものが「規格本文が掲載された解説書」だったためです。
そういえば、先日、訪問した組織で、ISO事務局の人が、JIS規格をコピーしたものを利用していました。
テレビの録画と一緒で、自分で購入した規格書を自分で使用するためにコピーしただけなら「セーフ」だと思いますが、社内の誰かが「配付」したものなら、文書管理というより、コンプライアンス(著作権)的にアウトでしょうね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ753号より)
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