「鳥が孵化して最初に見たものを親だと認識する」・・・ということが、多くの人に知られています。

これを、日本語では、「刷り込み」、英語だと、「インプリンティング」といいます。

初めて見たものが親であるという情報が印刷物のように、その個体の脳に刷り込まれる、ということからついた現象で、オーストリアの動物行動学者(コンラート・ローレンツ)が実証したそうです。

 

ローレンツ博士は、自身が、鴨が卵の殻を破って出て来る場面に立ち会い、人間である自分たちが鴨の雛の親として野外生活をする実験を繰り返し、この現象を実証したそうです。

 

この「刷り込み理論」は、「鳥」の話ですが、人間も「最初に学習(刷り込み)したものが深いベースとなって、ものごとを判断する動物」ではないかと思います。

たとえば、少なくともアラフィフ世代以上の多くの人には、「預金金利5%以上の時代」を知っているので、いまだに、「終身雇用をベースとした人生設計」や「資産形成の主体を銀行貯金」とする考えが「人生設計としてリスクが少ないもの」という価値観が根底にあると思います。

さすがに、頭の中では「今は、ひとつの組織に定年まで勤め上げる時代」、「今や銀行貯金は、金利が雀の涙で、投資の時代」と認識しています。

しかし、では、どれだけの人が、「新たな価値観で行動しているか」といえば、半分に満たないでしょう。

 

その他の例として、さすがに、今の時代、スポーツをする際に「練習中は水を飲んではダメ」とか「ウサギ跳びをして足腰を鍛えなさい」といった指導者はいないと思います。

しかし、いわゆる「体育会系指導」、「根性論や精神論」を主体としたスポーツ文化は、まだ残っていると思います。

コンプライアンスの時代なので、しぶしぶ「褒める指導」や「過度な上下関係廃止」に取り組んでいますが、指導者の根底には、「ビシビシしごいてこそ、競技力は向上する」、「土壇場の緊張感は、スパルタ指導でこそ培われるんだ」と考える人もまだまだ、多くいると思います。

 

もちろん、価値観や方法論は、「これがベストだ」というものはないので、もちろん、色々あっていいのです。

しかし「これがベストだ!と考えていた価値観や方法論が全てではない」とか、「その後の研究データで、実はこうしたやり方が、成果が出る」といった「新常識」があることにアンテナを張り、試行して許容することも必要なのです。

 

ただ、現代社会は「情報が多すぎる」ので、人間には「自分の中で確立したもの以外の情報は、無意識か、意識的かは別にして、スルーし、遮断する」という機能も持っていると思います。

例えば、「朝食は、白飯、味噌汁、漬物、刻んだナスやキュウリかつおぶしと醤油、煮物やおひたし」が「しっかりと確立している人」にとっては、いくら、情報番組で「欧米の朝食では・・・」、「現代の日本の若者は朝食に・・・」といった情報が流れていても、「どうでもいい情報」として「遮断」されています。

 

私は、たまたま、いろんなものごとに関心がある方なので、自分には直接的には影響がなく、関わってこないような情報を含めて、「新たな話題」や「新常識」を受け入れて、理解するようにしています。

ただ、「特に不便を感じない」(自分はそうでも、まわりは不便と感じるケースもある)ものに対しては、「覚えるのが面倒」という意識は、人には、必ずあると思います。

私の場合、「今の時代に更新していないもの」として「スマホ決済サービス」があります。

決裁方法として、現金、交通系電子マネー、クレジットカード、デビットカードがあれば、支障がないので、自然と「もうこれ以上の決済手段は知らなくてもいい」と無意識に情報を遠ざけているように少し自覚しています。

 

先日、私より年配の仕事仲間とニュースを見ていた際に、渋谷のワクチン接種が報道されていました。

その時の報道で、ワクチン接種は、「早い人順式」から「抽選お知らせ式」に代わったということとともに、「お知らせ方法」として「LINE」または「Twitter」登録を係の人が並んだ人に案内している映像が流れました。

すると、その方曰く「ありがさんは、LINEやTwitter登録されていますか?僕は、外出したら、ガラケーだし、ポケットWi-Fiも持っていないから、“ケイタイ電話”か“(通信手段がある場所でパソコンの)メールを受信する”しかないよ」と。

 

新しいことを手取り足取りサポートしてくれる家族は、私にはいない。

ただ、仮に長生きするとしたら、世の中を生きていくために、絶えず情報を入手して、理解する力を維持し続けるしかない。それが「楽しい!」と思えているうちはいいですが、そうでなくなったときを考えると、長生きするのも結構、しんどいことだな、と思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ766号より)
 

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