2021年9月1日付けの共同通信が、
「低圧遮断器でも不適切検査 三菱電機、05年ごろから」
という見出しの記事を報じていました。
記事によれば、
◆三菱電機は9月1日に、福山製作所で工場の定期検査で不適切行為があったと発表した
◆福山製作所では、低圧遮断器を製造している
◆検査時のサンプルを量産品と異なる部品を使った
◆規定条件と比べて低い電圧で検査を実施した
◆検査不正は2005年ごろから行われており、品質への信頼が揺らいでいる
◆工場の定期検査は年1~4回行われていた
◆対象製品は機械装置向けの遮断器9種類で、異常な電気の流れを遮断する目的で使用される
◆2005年から約243万台を出荷
◆定期検査とは別に、出荷時の検査は適正に行われていた
ということだそうです。
このニュースを知ったときは、
「また、三菱電機か」
「三菱電機は、多かれ少なかれ、ほとんどの工場で何らかの不正検査があるのではないか」
と感じました。
今回の不適切検査が製品に与える技術的な詳細はわかりませんが、記事の内容から想像すると、
「出荷検査は、適切に実施されていた」
ということなので、一般的に考えれば、製品への影響はないか、あっても限定的でしょう。
「出荷時の検査」と「定期検査」の役割の違いがわかりませんが、一般的には、おそらく「出荷検査の有効性を定期検査で検証すること」が目的ではないかと思います。
例えば、定期検査で、基準値(出荷検査の合格基準の管理水準値)から外れる製品が発生した場合、出荷検査の項目や合否判定基準、検査頻度などの見直しを検討するデータが「定期検査」なのではないかと思います。
想像ですが、記事にあるように、定期検査では、
・検査時のサンプルを量産品と異なる部品を使った
・規定条件と比べて低い電圧で検査を実施した
ということですから、営業部門や現場部門は、「定期検査では不合格が発生しない対策」をしていたのでしょう。
ではなぜ、「定期検査で不合格が発生しないようにしたかったのか」といえば、「定期検査で問題が発生すれば、出荷した製品の影響を調査するために納品した製品を回収」することが生じるためでしょう。
こうなると、営業は、顧客(納入先)に対して面目丸つぶれで信頼を損なうし、製造現場も、原因の調査、究明、再発防止などを講じるのは手間が掛かって面倒だから、「定期検査では不合格が出ない検査結果になるように調整」していたわけです。
不適切検査を肯定するつもりはありませんが、「定期検査結果は合格ありき」に関係部門が操作するということは、そもそも、「出荷検査基準」や「定期検査基準」が、製品の実運用上、必要な性能に対して、適切ではない(合否基準がキツい)のかもしれません。
ただ、仮にそうだったとしても、顧客と約束している、あるいは、社内で決めた検査仕様とは異なる定期検査をしていたわけですから、組織として、なぜ、そうなってしまったのか、問題は、なぜ長期間、放置されてきたのか、について究明し、再発防止を取らなければ、社会からの信用は得られません。
また、おそらく、三菱電機福山製作所は、品質マネジメントシステムや環境マネジメントシステムの第三者認証を受けていたでしょう。
月並みですが、認証機関も、なぜ、不正検査を審査で検出できなかったのか、などしっかり検証することは必至でしょう。
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