2021年8月26日(午後2時頃)に東京パラリンピック選手村内で、柔道男子81キロ級に出場予定だった北薗新光選手が、村内巡回自動運転バスと接触する事故が発生しました。

この事故後、巡回バスの運転を見合わせていましたが、トヨタ自動車が、「必要な対策を講じた」ことで、31日午後3時から運転を再開することを大会組織委員会が決定したそうです。

トヨタ自動車がとった「必要な対策」とは、なんなのか、メディアの報道から、確認してみました。

 

8月30日付けの毎日新聞によれば、トヨタ自動車は、

◆加速、減速、停止は手動で行う

◆接近を知らせる通報音の音量をアップする

◆搭乗員や誘導員の増員する など

だそうです。

 

この対策を知って、少し「あれ?」と感じました。

事故は、

・北薗選手は、選手村内の横断歩道を渡っていた

・右折してきたバスと接触し、頭部などに軽傷を負い「体調不良」で欠場した

・バスは村内を自動運転で24時間運行している

・バスのドアの開閉などをするオペレーター2人が乗車している

・事故が起きたときは、自動運転ではなかった

・オペレーターは、手動で発信ボタンを押した

・歩行者が止まると思っていた

・・・

などと報道されていました。

 

しかし、トヨタ自動車が発表した対策は、「人的対策」で、「事故原因の除去」つまり「再発防止策」にはなっていないから「あれ?」と感じたのです。

報道されている事故の状況から考えると、原因は、「人的ミス」です。

つまり、

・手動運転だったため、オペレーターの判断ミスが発生した

・オペレーターが、横断歩道では「歩行者優先」という認識が甘かった

・オペレーターによる目視確認の手動操作では、バスの死角の安全が確保できない

といった状況の事故の原因除去(改善策)が、あまり見えてきません。

 

パラリンピックの開催期間は、残り1週間ほどですし、事故が発生したことで、バスのオペレーターや選手、関係者は「注意」するでしょうから、結果的には、大会期間中に同様の事故が再発することはないかもしれません。

なんだか、大会組織委員会は、巡回バスを提供しているトヨタ自動車に忖度し、運転再開ありきなのではないかとさえ、疑いたくなってしまいます。

 

「事故原因の究明と明確化」、「事故原因に対する対応策=再発防止策」をしっかり講じて、世間に説明しなければ、選手村の利用者はもちろん、社会から東京パラリンピック大会組織委員会の信頼は得られないのではないかと思います。

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