組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「ISO認証文書の固有の識別コード」について。
IAF(国際認定フォーラム)では、2016年11月5日を適用日として、
「IAFメンバー認定機関は、認定した認証機関と法的に拘束力のある取り決めを持ち、認証機関が認定されている範囲で、非認定のマネジメントシステム認証を発行することを防がなければならない」
というルールがあります。
要は、認証機関(※品質マネジメント、環境マネジメントの場合)の認定は、39の産業分類毎に認定されていますが、例えば「分野17:基礎金属、加工金属製品」の認定を持っている認証機関は、「非認定のISO認証文書を発行してはならない」ということです。
このルールの背景は、
・認定された認証書と非認定の認証書が市場に出回ってるのは、混乱を招く
・非認定の認証書が市場に氾濫することにより、第三者認証制度の信頼が損なわれる
ということがあるようです。
私の経験では、日本の認証機関の場合、仮に、その機関が認定を持っている分野で、組織の希望で「認定シンボルは必要ないから非認定の認証書を発行して下さい」(※認定シンボル付の認証書は、若干高いため)というケースがあったとしても、審査手順(例:審査員の選定、審査工数など)は、認定・非認定に関わらず、同様の審査が実施されることが多いと思います。
しかし、海外の認証機関では、非認定の認証審査は、通常の審査工数より少なく、審査員の専門性に応じた選定も厳密でないケースがあるようなのです。
したがって、「認定を持っていたら、非認定の認証書は発行してはダメですよ」というのは、理解できる話しです。
しかし、この場合、ひとつ問題が残ります。
組織の認証範囲が、複数の産業分野にまたがっており、(例:17:基礎金属、加工金属製品、28:建設)産業分野の一部について、認証機関が認定を持っていない場合です。
例えば、「28:建設」の認定を持っていない認証機関の場合、「非認定の認証書は発行してはならない」の規定があるので、
◆認定を持っている「分野17」と認定を持っていない「分野28」の認証書を分ける
または、
◆認定シンボルを付けずに認証書を1枚にして、「分野17」に関しては認定された認証で
あることを文字で表記する
といった方法で認証書を発行することになるでしょう。
注意が必要なのは、「認証書を分けたときの識別番号」です。
上記の例で言えば、認証審査は、「分野17、28」の登録範囲を一緒に審査していますが、認証書は2枚に分かれるので、「識別できるように番号を付与する必要」があります。
しかし、認証書は、適合組織の登録番号で識別されているケースが多く、そうなると、認証書には、「登録番号」ぐらいしか識別する番号がありません。
認証書を分割する場合は、登録番号の後に枝番を採番するなど、工夫が必要なので、注意が必要です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ750号より)
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