組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「回顧録(ISOマネジメントシステムとの出会い)」について。
◆出身によりマネジメントシステムへの関心が異なる◆
私の話で恐縮ですが、ISOマネジメントシステムに出会ったときは「これからはこれだ!」と強い衝撃を感じたのが始まりです。
私の場合、学校を卒業して、就職したのは、当時の通商産業省(現在の経済産業省)の某外郭団体です。
この外郭団体は、ある法律に基づき法律で定められた資格制度の研修や講習会、保安技術に関する調査研究、技術基準に対する検査などが主要な業務です。
私が配属された部門は、検査部門。
大学の専攻は、理工系ですが、「世の中の役に立つ製品を研究開発したい」という興味は、学生時代から薄く、学生の頃は、「教える仕事」(例:教員や博物館の学芸員など)か「技術をチェックする仕事」(例:検査員、検定員、弁理士など)に就きたいと考え、探し求めて政府系外郭団体に入職しました。
そのようなわけで、配属された「検査部門」は、希望していた仕事でした。
しかし、検査業務に関わっていく中で、これからの品質保証は、「モノの検査」ではなく「モノを作る工場の管理体制の審査だ」と考え方が変わりました。
そんな思いが強くなったときに出会ったのが「ISOマネジメントシステム」だったのです。
ISOマネジメントシステムに関係する仕事を列記してみたいと思います。
・認証機関
・マネジメントシステムを導入する組織
・認定機関
・マネジメントシステム研修機関
・コンサルティングファーム、コンサルタント
・政府系機関
・業界紙の記者、ライター
・マネジメントシステムに関する業界団体
・大学、専門学校など研究機関
・・・・・
私は、ISO関連業務のスタートが「認証機関の職員」です。
そのため、関心が高いのは、「顧客や消費者が信頼、安心できる組織とは何か」、「認証機関はどのように世間に適合組織を正しく公表していくべきか」という点です。
したがって、組織を審査する際は、
・組織の適用範囲
・組織の業務とマネジメントシステム上の位置付け
・各業務プロセスの要求事項への適用
・経営に生かすためのマネジメントシステム審査とは何か
といった点への関心が高いです。
一方、ISO審査員の多くは、マネジメントシステムを導入していた組織出身者です。
組織出身者の関心は、
・組織のマネジメントシステムの構築・運用状況
・組織が認証審査にどのように向き合っているか
・自分が所属していた組織との比較
などでしょう。
少々、青臭い話しですが、
「認証審査を通じて組織の経営に寄与したい」
「認証制度が顧客や消費者に信用されるものにしたい」
「認定認証制度を重要な社会インフラとして成長させたい」
といった思いが強いほど、細かい話しと言われてしまいますが「組織の適用範囲」や「規格要求事項の実業務への適用とその適合性」、「認証機関の審査プログラム」にはこだわってしまいます。
こうしたことについて、ISO関連業務における出身業界により「話が通じる人とそうでない人」がはっきりします。
「話が通じない」、「腑に落ちない」相手からは、明らかに苛立ちを隠さない人や苛立ちが読み取れることがありますます。
衝突を避けるとすれば、「振り上げた拳を静かに振り下ろすこと」ですが、それは職業倫理としてしたくない矜持があります。
「細かい」と言われてしまうかもしれませんが、ISO認定認証制度を信頼され得るべきものとするためにも、「こうしたこと」に今後もしつこく&しぶとく、こだわっていきたいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ747号より)
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