組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「公平性に対する脅威の分析結果と残留リスクの排除」について。

 

ISOマネジメントシステムの第三者認証制度に関わっている業界関係者の集まりで、よく話される会話として「この業界は特殊だよね」という方がいます。

本題からそれますが、一般論として、「うちの仕事はよそとは違って特殊だから・・・」という話しは、どんな世界でも耳にします。

逆に言えば、

「各業界は、どこでも、“よそとは違う”ところがある」

「“よそと違う”ことを免罪符にして、改革や改善が進まない理由にするのはおかしい」

と言えるのではないかと思います。

 

本題に戻して、前述した話しと少し矛盾しますが、確かに、ISO認証制度の場合、民間の制度ではあり、競争原理が働く商売ですが、「国際規格に基づく認証機関」という立場から、「公平性の担保」については、確かにやや「特殊」といえるのかもしれません。

 

ISOマネジメントシステムの「第三者認証機関」が、ISO規格に基づく認証業務オンリーだけをサービスとして、資本的にも大きな影響を与えない独立した組織として設立・運営されていれば、名実ともに前提として「組織の公平性が担保されている機関」といえます。

しかし、通常は、多くの認証機関が、機関の他の部門に検査部門や教育研修部門、関連法人にコンサルティング会社などを保有しています。

また、機関そのものが、ISO規格以外の認証サービスを実施しているケースもあります。

 

そこで、第三者認証機関に対する要求事項として、以下の規定があります。

(JIS Q 17021-1:2015規格より引用)

JIS Q 17021-1:2015 5.2.3

(省略)公平性に対する脅威が存在する場合、認証機関は、どのようにその脅威を排除又は最小化するかを文書化し、実証し、また、残留リスクを文書化しなければならない。

この実証は、脅威が認証機関の内部から生じるか、他の個人、団体又は組織の活動から生じるかにかかわらず、特定される全ての潜在的な脅威を網羅しなければならない。

(引用、ここまで)

 

つまり、機関は、

「公平性に対する脅威の分析結果と残留リスクの排除又は最小化」

する手順を持ち、適切に運用している必要があるのです。

一般的には、「リスク評価及び利害抵触の分析」といった評価シートを用いて、公平性に対する脅威と分析および残留リスクの排除や最小化を機関は実施しています。

 

ただ、このような「評価シート外の公平性に対する脅威の評価と残留リスクへの措置」が実施されているのも実際には多いと思われます。

例えば、機関が所属する組織の他の部門で新規サービスを始めたときです。

その場合、

・新規サービスを実施する部門

・ウェブサイトを管理する部門

は異なっている場合が多いです。

また、新規サービスは、機関代表者が参加する「経営会議」や「部門長会議」で話題に出てはいるので、事実上は、「機関業務の公平性に与える脅威がある」場合、こうした会議の場で、検討が図られているので、結果としては「リスクは最小化されている」ケースが多いです。

 

しかし、こうしたことが、機関における「リスク評価及び利害抵触の分析」といったシートでは実施されていませんし、機関が所属する組織のウェブサイト管理部門は別の部署であることが多いので、「ウェブサイトに掲載される文章の文言のチェック」までは、しっかりとチェックする仕組みになっていないこともしばしばあります。

機関が属する組織の中の一部の組織である場合は、こうした点で不備がある可能性があることを機関は再確認しておく必要があると言えるのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ742号より)
 

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