2021年8月5日に、東京五輪で五輪種目として初採用された「空手女子形」の予選・決勝が行われ、清水希容選手が銀メダルを獲得しました。
知人に空手を趣味としている人が多いので、耳学問で、競技の種類や空手の流派は、たぶん、日本人の中では知っている方だと思います。しかし、正直なところ、空手が五輪種目に採用されたときに「“組手”はポイント制だけど“形”を競技として実施するの??」と少々、驚きました。
空手を本格的に取り組んでいる方には、叱られてしまうと思いますが、私の目には「形」は、武道で言う「演舞」のひとつだと思っています。
つまり、「競技として競い合う性質のものではない」と考えていたからです。
東京五輪の「形」の採点は、
・採点方法は、テクニカルポイント70%、アスレチックポイント30%
・公平を期すため、審判7名のうち上位2名・下位2名の点数を排除した合計点数
・「スピード、立ち方、正確な呼吸法、タイミング、流れるような動き、空間の把握、
極め、技、バランス、力強さ」を評価
となっていますが、感覚的すぎます。
同じ採点競技の場合、体操競技なら、技によって「難易度(Dスコア)」(点数)が決まっていて、完成度を減点方式で、例えば、着地で1歩ずれたら0.1点減点など「出来映え(Eスコア)」(点数)が明確です。
しかし、「形」は、そもそも、「古くから伝わる攻防の技を、一連の決まった動きにまとめたもので、相手を仮想して単独で演じる」ものです。
つまり、体操競技のように「新技」(しんわざ)は、ありません。
百歩譲って、形の評価基準である「スピード、立ち方、正確な呼吸法、タイミング、流れるような動き、空間の把握、極め、技、バランス、力強さ」をAIや測定器具を利用して「測定」し、点数化するのであれば、「競技として順位を付けることが可能」です。
しかし、現状は、「比較的、同じような視点で評価できる審判員の個人的評価」でしょう。
何が言いたいのかと言えば、「ミスコン」と一緒で、第三者にとっての明確な優劣がわからないので、「競技スポーツ向きじゃない」と思ったのです。
日本人選手が活躍していたので、静かにしていますが(笑)、新種目のスケードボード(ストリート・パーク)や自転車のBMXフリースタイル(パーク)なども、テレビで解説をされていた方の話では、例えば、
・同じトリックは、2回目は完成度が高くても点が出ない
・オリジナリティが高いと点数が出る
・大会によって、点数は比較できない
・・・
要は、スケートボードのパークなら、「540は○点」とか「45秒のランの間に出すトリックの数は何個以上」など採点基準が大会によって変わるわけです。
私は、採点競技ではないですが、マイナースポーツを学生時代にやっていたので、その時の経験で言えば、競技人口が少なく、「身内の論理」が通じるときは、それでいいのですが「国際スポーツ」とするならば、「客観的な評価基準」を設定しないと、「人生を賭けて取り組むには不確定要素が多すぎてリスクが高すぎる」と個人的には感じます。
しかし、今回、空手の清水選手を通じて、迫力、目力、身体バランスなどには、感動しましたし、スケートボード(女子パーク)の2019年世界選手権チャンピオンの岡本碧優選手の「最後まで攻めたチャレンジ」(最後の大技はやらなくても、銅メダル圏内に入れたはずですが、金メダルにこだわった)は、中年おじさんの心が揺さぶられました。
つくづく、コロナ禍でない自国開催五輪が見たかったな、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ762号より)
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