2021年7月29日に、福岡県中間市の保育園で発生した「保育園バス内での5歳児死亡事故」。
7月31日に、保育園は、保護者に対して、説明会を実施したそうです。
これまでの報道をざっと振り返っておきます。
◆倉掛冬生ちゃんが、通っている双葉保育園の送迎用バスの中で意識不明で発見された
◆冬生ちゃんは、搬送先の病院で死亡が確認された
◆29日朝の送迎バスを運転していたのは40代の女性園長で、他に職員はいなかった
◆7人の園児を乗せたバスは、午前8時半ごろには保育園に到着
◆園長は、園児全員が、降りたと思い鍵をかけてバスを離れた
◆帰りの送迎バスに冬生ちゃんが乗っていなかったため、母親が保育園に問い合わせ
◆朝の送迎に使用したバスの前方座席で冬生ちゃんが発見された
ということです。
メディアの情報を複数確認すると、その他に、
・冬生ちゃんは、乗車後、後部座席で寝てしまった
・冬生ちゃんは、およそ9時間にわたり車内に取り残されていた可能性が高い
・園長によると、泣いている他の園児に気を取られ、降ろし忘れた
・早朝に出勤できる職員が不足して、1人で送迎バスを運転した
・冬生ちゃんの担任の保育士は、欠席しているのがわかっていた
・保育士は、欠席について、保護者から園長に連絡があったと思い込んでいた
・中間市は、保育園の定期監査を、毎年行っているが、点呼などは監査項目にない
・・・
といったことのようです。
詳細は、まだ、わかりませんが、おそらく、常態的に、この保育園では、園児の点呼や欠席時の保護者への確認を行っていなかったのでしょう。
あくまでも、これまでの報道からの印象ですが、気になることは、
・送迎バスについて職員の複数体制が取れないことはこれまでもあったのだろうか
・送迎バスについて、園児の乗降人数を確認する仕組みはあったのだろうか
・園児の出欠確認及び保護者とのコミュニケーションの仕組みは確立していたのか
・園長と保育士のコミュニケーションは良好だったのか
といったことです。
今回、痛ましい事故が発生した「双葉保育園」(私立の認可保育園)は、経営的に、難しいのかもしれませんが、
「複数乗務体制」、「乗降客確認」、「園児の乗降予定確認」
の3点について、道路運送法の許可を持つ「緑ナンバー」のバス会社と「輸送契約を締結して輸送委託」していれば、まず、こうした問題は、発生しなかったでしょう。
今回のようなスクールバス、教習所など習い事、あるいは、旅館や飲食店の送迎は、その利用者に対して、無償で実施されれば、自家用車(白ナンバー)でサービスを提供できます。
しかし、中学生以上のスクールバスや主な利用者が18才以上であることが多いその他の送迎と違って、「園児の送迎」は、例えば、
・乗降確認
・乗降予定者が異なる場合の連絡体制
・乗降者の体調不良など不測の事態に備える体制の確立
・送迎に関する日報の作成義務
などを法令、または条例、あるいは、「幼稚園・保育園の送迎に関するガイドライン」等で、明確にして、行政の定期監査のチェック項目にする必要があるのではないかと思います。
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