2021年7月26日付けの読売新聞が、
「河野行革相要請の「ファクス廃止」、霞が関が抵抗…「国会対応で必要」など反論400件」
という見出しの記事を報じていました。
記事によれば(※筆者が要約)
◆河野行政・規制改革相が旗を振る省庁のファクス廃止が難航している
◆各省庁からは国会対応などを理由に約400件の反論が寄せられている
◆内閣官房は2021年6月、ファクスの原則廃止を打ち出した
◆河野大臣も「惰性で使うのはやめてメールに切り替えて」と呼びかけた
◆河野大臣は、災害時などに限って認める考えだったが反論が多く、目算が外れた
◆廃止に消極的な理由として国会対応が挙がっている
◆河野大臣は、7月に衆参両院の議院運営委員会に協力を依頼したが、効果は不透明
ということだそうです。
日本は、IT先進国と言われる国々と比較して、まだまだ、ファックス文化が残っています。
私の経験ですが、以前、ある商品が欲しくなって、ウェブサイトに記載があったメールアドレスに「商品を購入したいので、振込口座を教えて欲しい」旨を送ったところ、その会社から返信メールがないので電話したら、「ファックスでメールの注文内容を送信して欲しい」と言われたことがありました。
また、ヤマト運輸の荷物について、クロネコメンバーに登録していると、荷物のお届け情報が通知されます。不在時の荷物の持ち帰りを減らすための対策で、便利です。
この通知の良いところは、ネットでお届け日時が変更できることです。
しかし、私の場合、2週間程度留守にする場合も多く、その場合は、荷物の保管期間を過ぎてしまうので、ネットでの変更が利用できません。
ヤマトのサイトには、このようなケースは、「電話で連絡を下さい」と案内されていますが、基本的に電話は、まず繋がりません。
そこで、サイトに記載がある「FAX番号」に変更依頼事項とこちらの連絡先を書いて送信すると、30~1時間以内に連絡があります。
このように、ファックスは、まだまだ、日本においては「必要な通信方法」ではないかと思います。
一般論として、ファックスが使用される理由として、
・FAXは、誤操作による大量誤送信がない
・悪意による大量送信などの事故が起きにくい
・大規模な情報漏洩の危険性が低い
といった理由もあるのでしょう。
私の取引先の企業では、守秘性の高い情報は、パソコンにデータがあっても、ネット接続しないシステムになっていて、情報漏洩リスクを予防しています。
したがって、このように守秘性の高い情報を業務上、外部の人に伝える場合、一度、情報をプリントアウトして、ファックスで送っているのです。
河野大臣が旗振りする「ファックス廃止」のそもそもの発想は「ファックスはテレワークを阻害する要因の一つである」という理由です。
しかし、「守秘の問題」、「国会対応」など、仕事の性質によっては、河野大臣が改革に成功した「ハンコ廃止」の時のようには、ファックス問題は一筋縄ではいかないのだと思います。
河野大臣の手腕に期待するとともに動向に注目です。
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