2021年7月16日付けの共同通信が、

「西武HD、40施設の売却検討 札幌、大津プリンスホテルなど」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、

◆西武HDが「札幌プリンスホテル」など、国内約40施設の売却を検討している

◆売却額は1千億円超となる見通し

◆売却後も運営を受託し、プリンスホテルとして営業を続ける

◆コロナ禍で鉄道事業も低迷し、西武HDの赤字は723億円

◆資産売却を通じて財務体質の改善を狙い、投資ファンドなどと交渉を進めている

◆ゴルフ場やスキー場などのレジャー施設も売却対象となる

◆「軽井沢プリンスホテル」などは今後も保有し続ける

とのことです。

 

先日、日本最大の広告代理店の電通が本社ビル売却の意向を発表しましたが、多くの企業が、コロナ禍で、財務体質が悪化しているので、今後も、こうした資産売却のニュースが多くなるでしょう。

ホテルで言えば、2021年3月に、近鉄グループホールディングスが、8つのホテルを米国の投資ファンド(ブラックストーン・グループ)に売却することを発表しました。

世界的にも、ホテルの「所有と運営の分離」の流れがあるようです。

 

経営的には、財務体質改善目的で「所有と運営の分離」は良さそうですが、例えば、「ホテル事業」として捉えた場合、「所有・運営一体のホテル」、「運営だけのホテル」が、同じブランド(例:プリンスホテル)だったとしても、前者は、「施設・設備投資計画」が自らできるのに対し、後者の場合は、「受託した運営サービス」のみの責任ですから、「温度差」が生じないか、心配です。

 

また、アセットマネジメントシステム(※組織の資産(アセット)を、ライフサイクルを通じて、コスト、リスク、パフォーマンスのバランスを保ちながら、最大の可用性と収益性を確保するためのマネジメントシステム)面で考えると、原則的には、「アセット所有者のマネジメントシステム」なので、所有者が、西武HD、ファンドと異なれば、方針も当然、違うでしょう。

 

それにしても、プリンスタワーでいえば、札幌、大津、東京などは売却、軽井沢は残す、という判断のようですが、「売却資産と残す資産」をどのようにふるい分けたのか、少なくとも株主にはきちんと説明するのか、注目したいところです。

 

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