2021年7月3日に発生した静岡県熱海市の土石流災害。

当初は、前所有者が、県へ届けた内容と異なる盛り土をしていたと報道されましたが、静岡県の難波副知事は「現所有者も盛り土をしていた」という新たな可能性を7月13日に指摘したそうです。

 

これまでの報道では、

◆前所有者は、熱海市への届け出とは異なる不適切な盛り土による造成をしていた

(※前所有者:神奈川県内の不動産会社)

◆静岡県土採取等規制条例の基準では、盛り土の高さは原則15メートル以内

◆静岡県は、実際には、基準の3倍を超える最大約50メートルの盛り土があったと推定

◆静岡県は、前所有者に再三にわたり行政指導をしている

◆盛り土の崩落が被害を拡大させたと思われるが、不適切な造成がされた時期は不明

◆2011年2月に現在の所有者が土地を取得(※現所有者:都内の持ち株会社オーナー)

◆代理人弁護士は「盛土は知らなかった」、「行政の指導を受けたことはない」と説明

◆静岡県は、行政の対応が適切だったかどうか調べる方針

・・・

といったことが報じられていました。

 

しかし、7月13日の記者会見で、難波喬司副知事は、

◆現在の所有者にも行政指導が行われている

◆安全対策のため何らかの改変を行った可能性がある

◆結果として安全上問題のある盛り土が残されることになった

◆現在の所有者により、さらに上部に盛り土がなされた可能性がある

ことを明らかにしたそうです。

 

静岡県が盛り土周辺の開発行為を撮影した写真には、防護措置がされていない土砂の投棄や太陽光発電施設の近くでは仮設の土のうが並べられ、破れて中の土がむき出しになっている様子が映っているそうです。

 

これまでの報道から、よくわからないのは、

・前所有者が届け出した内容との差異について、県はしっかり監視をしていたのか

・前所有者に対する行政指導について、県は、しっかりと是正処置確認をしたのか

・現所有者は、開発の届出を出していたのか

・現所有者の行政指導は、どのような内容だったのか

・現所有者に対する行政指導について、県は、しっかりとした是正処置確認をしたのか

といったことです。

 

おそらく、国土地理院やグーグルアースからの航空写真等の情報を分析すれば、いつ、開発行為が行われ、違法状態はどの程度継続していて、行政指導に基づく処置が適切に実施されていたのか、確認できるはずです。

 

だがしかし、もしかしたら、

「開発許可や行政指導した市の担当部署では手に負えないような業者だった」

のかもしれません。

以前、環境省の産廃Gメンの方と少し話をしたことがありその時に感じましたが、この盛り土には産廃が含まれていた可能性が高いようですし、土木開発と産廃に関する担当部署は、警察、検察との協力や反社組織にも立ち向かえる武闘派職員の配置など体制の見直しも必要なのかもしれません。

 

13日の会見で、難波副知事は、県庁内に「原因究明」のチームと「行政手続きの確認作業」をするチームを設置し、第三者による検証を検討することを発表しています。

仮に、現行ルールとして、行政手続きに問題がなかったとしたら、逆に、行政手続きとその管理方法の見直しは必要になるでしょう。
 

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