2021年6月29日付けの毎日新聞が、
「三菱電機で不正検査 鉄道向け空調機器、35年以上」
という見出し記事を報じていました。
記事によれば、
◆三菱電機が鉄道車両向け空調機器の製造過程で、不正な検査を繰り返していた
◆不正な検査は、長年にわたって出荷前に必要な検査をせず、架空データを記入していた
◆不正な検査は1985年からとみられ、三菱電機は、社内調査や顧客への説明に着手した
◆空調機器は長崎製作所で製造し、JRや私鉄など全国の鉄道会社に納入している
◆快適な温度、湿度を保つ制御機能や省エネ性能、防水や電圧変動等への耐久性も要求される
◆長崎製作所は、出荷前に顧客が指定する方法で検査をする契約を顧客と交わしている
◆しかし、実際は指定された方法とは異なる条件で検査するなど不正をしていた
◆不正な検査は、現在使われている製品のうち、少なくとも数百件以上が対象になる
◆三菱電機は2021年6月中旬に不正を把握し、経済産業省にも報告している
◆これまでに顧客から不具合に関する指摘などはない
◆検査の不備が疑われる空調機器の出荷をすでに停止した
ということだそうです。
三菱電機といえば、2018年に、「鉄道車両などに使う産業用ゴムを製造する子会社が必要な検査を行わず、品質基準を満たさないゴム部品を出荷していた」問題が発覚しています。
また、2021年5月には、「安全認証の基準を満たさない電気制御部品を国内外に計215万台出荷していた」ことが明らかになっています。
短絡的、かつ、楽観的に捉えれば、「こうした検査不正や不備があぶり出されるような社内体質になってきた」と「社内改革や体質改善が図られてきている途中」と捉えることもできるでしょう。
私は、サラリーマンを12年弱で卒業してしまいましたが、「自分が三菱電機の社員だったら」を想像すれば、「組織の中で生き残るためには、前任者からそのようにやりなさいと指導されてきました、罪の意識はなかった」とやり過ごしていたでしょう。
仮に、これらの業務に精通していて、内部監査等で、検査不正を見つけることができても、「お前の部署はどうなんだよ」とやり返されるのを恐れて、「しらんぷり」でしょう。
どのように、今回の「不正な検査」が社内で顕在化したのか、わかりませんが、「問題である」と声を上げた人たちは、しっかりしていると思います。
昭和、平成時代の価値観であれば、正義感あふれる人が数人いたとしても、組織から握りつぶされたでしょう。
ちなみに、三菱電機は、全社的に環境マネジメントシステムの国際規格(ISO14001)を日本環境認証機構(JACO)で取得しています。
(※品質(ISO9001)については、長崎製作所の製品が認証されているかどうかは不明)
三菱電機は、経済産業省や一部の納入先には、すでに説明されているようですが、ISO認証機関への報告は、しっかりされているのだろうか、と思います。
また、認証機関も、自らの審査の適切性と組織の認証の継続可否をしっかりジャッジしてもらいたいと思います。
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