2021年6月19日に、日本フェンシング協会は理事会の新体制を発表し、2017年から会長職を務めていた太田雄貴氏は、任期満了に伴い退任し、新会長としてタレントの武井壮さんが就任したそうです。
各メディアの報道によれば、
◆武井氏は、より多くの人にとって幸福、楽しいものにしていけるようにしたい
◆武井氏は、陸上・十種競技の元日本王者であるが、フェンシング経験はない
◆太田氏は、1年前から武井氏にオファーしており、ようやく承諾してくれた
◆太田氏は、属人的でない協会運営をして欲しい
◆太田氏は、武井さんの十種競技での境遇は、今のフェンシングに近いものを感じた
◆武井氏は、フェンシングの魅力は掘れば掘るほどある
◆武井氏は、どんどん発信し、フェンシング界を日本でリードしていけるようにしたい
などと語ったそうです。
この「武井新会長誕生」のニュースを聞いたときは、率直に、「マイナー競技改革のためのよき人事」と、総論的には感じました。
ただ、どのマスメディアの報道を見ても、よくわからないのが、例えば、
・フェンシング未経験者、かつ、理事でもなかった人をいきなり会長にして組織内は大丈夫か
・公益社団法人だが、会長決定プロセスは透明性があったのか
・武井氏は、発信力はあるが、それでは、太田会長のように属人的運営に鳴ってしまうのでは
・武井氏は、積極的なタレント活動をしているが今後はどうなるのか
・武井氏は、自由に主義主張を述べるタイプだが、公職に就くと制限されるのではないか
・太田氏は、次のステップ(政界、IOCなど)を狙っているのか
・・・
といったことです。
話題は少し逸れますが、私も似たような経験がありますが、私が仕事や学生時代に活動していたスポーツは、世間的にみれば、メジャーでない分野です。
月並みですが、これらの関係者は、それなりに頑張っていても、例えば、産業については、国の制度の一部にする、スポーツについては、競技力を向上させるだけでなく、発信力がある人をトップに据えて、内部の体制を整え、戦略的に活動していかなければ、「埋没」してしまい、なかなか、関係者以外の一般の人に広めていくことは、難しいです。
つまり、太田氏がやってきたように、スポーツの場合はエンターテイメント性を持たせ、スポンサーを獲得し、メディアに取り上げられ、競技に関心を持つ人を増やし、そして、政治家やIOC委員となって、マイナースポーツの地位向上を目指すの得策です。
フェンシング協会の内部事情はわかりませんが、私が学生時代に取り組んでいた競技スポーツ団体なら、武井壮氏のような発信力やアイディアが豊富な人を会長にしたい、という声が前会長からあれば、現理事達からは「それはいいんじゃない、俺たちがいくら頑張ったって、メディアは相手にしてくれないけど、武井さんなら、少なくとも、頼めば、取材ぐらいはしてくれるだろうし」と反対の声はあがりません。
また、競技経験者が境界トップになる云々の議論は、これまでも、バスケットボール協会の会長にサッカー出身の川淵三郎氏やバレーボール出身の三屋裕子氏、日本陸上競技協会会長に経産官僚出身の横川浩一氏など事例は枚挙に暇がないですから、安直に「武井氏は適任ではない」とは言えないでしょう。
これまでの人生において、比較的、「マイナーな世界」を歩んできた私としては、日本におけるフェンシングの地位がどのようになっていくのか、また、武井会長のフェンシングのメジャー化戦略はどんな方法をイメージしているのか、といった組織マネジメントを含めて、今後の動向に注目したいです。
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