少し旧聞に属する話題で恐縮ですが、ホリエモンこと実業家の堀江貴文さんが、2019年7月に出版した書籍『ハッタリの流儀 ソーシャル時代の新貨幣である「影響力」と「信用」を集める方法』を読んでみました。
この本での堀江さんの主張を簡単に表現すれば、
・ハッタリをぶちかまして、世間の注目を浴びよう
・注目されれば、関心がある人が集まり、あとには引けなくなる
・したがって、必然的に死ぬ気で頑張ることに也、気づくと結果が出ている
ということでしょう。
話しは少しそれますが、僕が中学生の時に、昭和の文豪、遠藤周作や安岡章太郎のエッセイが好きでなんども読み返していました。
どちらの作家のエピソードか忘れてしまいましたが(たぶん、遠藤周作氏)、学生時代に、家庭教師のアルバイトをしていて、依頼主から「フランス語」を依頼されます。
けれども、実は、フランス語は素人同然。
しかし、生活費が欲しくて「できます」とハッタリをかまします。
依頼を受けた後は、家庭教師をする日の前日に、必死に、翌日教える箇所を丸暗記します。
勉強した以外の質問があると、「それは次回までに自分でも調べておくように」とかわし、時間稼ぎをして、次の家庭教師の日までに必死に調べて、何食わぬ顔で教えるのです。
こうしたことを1年以上、繰り返しているうちに、もともと素人同然だったフランス語が身についた、・・・というようなエピソードです。
(筆者注:40年ほど前の記憶なので、めちゃめちゃ不鮮明な記憶です)
堀江貴文氏の「ハッタリの流儀」を読む前に、僕の中で「ハッタリ」とは、こんなイメージがあったのです。
まず、堀江貴文氏の「ハッタリ」エピソードを紹介します。
《アップルジャパンのホームページ制作》
・1994年頃、定例ミーティングの席で、アップルの担当者からHPの制作依頼があった
・内心、かなり焦ってはいたものの、決してそれを顔には出さなかった
・自信満々に「ああ、あのことですね」、「ちょっと作ってみますね」と答えた
・会社に戻るなり、大急ぎでホームページについて調べまくった
・「ハッタリをかましてその後で辻褄を合わせること」は、大きな成果をもたらしてくれる
《オラクルのWebシステム制作》
・IT企業でアルバイトをしていたときのこと
・オラクルのWEBシステム制作の案件を、会社を通さずに打診される
・「やります! やらせてください」と即答
・データベースサーバーのことはよくわかっていなかった
・涼しい顔で快諾し、その足ですぐに書店に行き、参考書を何冊も買い漁った
・必要な情報や知識は、必死に取り組んでいるうちに必ず後からついてくる
・ひたすら勉強しながら、システムを作り上げ、何食わぬ顔で納品した
・わずか数カ月の作業で90万円もの報酬を得ることができた
つまり、堀江氏は、これらの経験から、「自分ならきっとできる」とハッタリを自分にかまし、必死に頑張ることで、知らぬ間に知識と技術が身につき、結果が出ている、という体験をしたのです。
紙面の都合で、割愛しますが、堀江さんのこのエピソードを読んだときに、弁護士で大阪府知事、大阪市長、日本維新の会代表を歴任した橋下徹氏も、自著の中で、弁護士になって、独立した当時、堀江さんと同様の「ハッタリ」をかました経験を語っていました。
組織経営をマネジメントする場合は、仕事を割り当てるにあたって、
・仕事内容とそれに見合った必要な知識、技量を明確にする
・力量に見合った人をその仕事に割り当てる
ことが前提となります。
したがって、堀江さんのエピソード話は、ISO認証組織であれば、あり得ない仕事のやり方です。
ただ、堀江さんのエピソードの場合、発注者は、どういう意図で、堀江さんに「やってみない?」と聞いたのかを想像すると、
・アルバイトの姿を見ていて、仕事に取り組む姿勢がしっかりしている
・東大中退だし、地頭は良さそう
・まともなところに発注したら、IT黎明期だけに相当高くつく
・もし、できなければ、それはそれでしょうがない
・・・
といった考えだったのかもしれません。
つまり、発注者も「首尾よくこちらの要求がかなうのであれば、ラッキー」ぐらいのノリで、リスクを承知の上での「仕事の依頼」だったのでしょう。
このように考えていくと、マネジメントシステムとは、つくづく、リスクマネジメントの仕組みだな、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ736号より)
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