組織の継続的改善を行うには、どのようなものがトリガーになるのかを考えてみよう。

トリガーを分類すると2種類ある。

それは、外部からの力(自発的改善ではなく強制力がある改善)と内部からの力(自ら、または自部門内での気づき、自発的な改善)である。

その具体的な内容をまとめると、以下になる。

 

1)外部からの力(自発的改善ではなく強制力がある改善)

• 外部監査の指摘、改善の余地

• 内部監査の指摘、改善の余地

• 苦情の発生

• 業務上のミスの発生

• マネジメントレビューからの指示事項

• その他(品質保証委員会などからの指示事項など)

2)内部からの力(自ら、または自部門内での気づき、自発的な改善)

• プロセスの監視、測定(プロセスが計画通りでない)

• データ分析

• 日常の業務改善

• 改善提案大会

 

ここで言う「外部」とは、「自部門の外」の意味であり、自部門が被監査部門となる内部監査や外部監査、自部門が評価対象となる自社のマネジメントレビューなども「外部からの力」に含まれる。

組織における「外部からの力」と「内部からの力」のバランスを考えると、当初は、外部からの力の割合が多いが、徐々に内部からの力の割合が増えていくことが理想的である。この外部から内部への力の移行の最も重要な原動力となるのが内部監査である。

言わずもがなであるが、ISOの内部監査は原則、自社の社員など組織自身が行う。

したがって、内部監査員の最低限の役割は、「マニュアルや社内規定、業務手順等がISO規格の要求事項に適合しているか」、「業務運営が社内手順書や手順に従って行われているか」をチェックし、経営層に報告することである。

しかし、正直な所、それだけでは、内部監査の依頼者である経営層からすると「ふ〜ん」となるだけで、内部監査結果の後処理の指示と実務は、ISO管理責任者などに丸投げして終わってしまう。

そのようなわけで、内部監査員に求められるアウトプットは、「現在のマネジメントシステムが効果的であるか」、「組織の知識として情報共有し、標準化するべきものは何か」、「業務改善、改革につながる指摘の検出」、「不祥事などリスクの低減につながる指摘の検出」といったことになる。

そのためには、ISO規格の知識、監査技法といった教育に加えて、リスクベース思考、プロセスアプローチ、インタビュー等コミュニケーションスキルなどが内部監査員に求められる力量となる。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ684号より)
 

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