2021年4月30日付けのスポーツ報知が、

「日本相撲協会 夏場所前に「応急対応処置講習会」実施へ 響龍さんが春場所で頭部負傷、28日に死去」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、(※筆者が一部編集)

◆日本相撲協会は、夏場所2日前の5月7日に、応急対応処置講習会を開催すると発表した

◆参加者は審判、警備担当の親方、医師、その他スタッフ

◆4月29日に、三段目力士の響龍さんが、急性呼吸不全のため28歳の若さで亡くなった

◆響龍さんは、対戦相手に投げられた際に土俵に頭部付近を強打

◆うつぶせのまま、5分以上、土俵上に倒れたままでその後救急搬送されていた

・・・

ということです。

 

記事にもあるように、響龍さんは、2021年3月26日の春場所13日目の取組で脳振とうを起こすなどして、入院していた。

この事故が起きた日に、ネットでは、

・力士が倒れたまま動かなかった

・力士をそのままにして勝ち名乗りを上げていて違和感があった

・呼び出しなどスタッフが、うつ伏せから仰向けにしたが動かしていいのか?

・・・

などと「騒然」となっていたので、私にすぐに、YouTubeでこの取り組み動画を探して確認しました。

 

その後、一部の報道では、快方に向かっているという情報もあったので、4月29日に、響龍さんが亡くなった報道があり、驚きました。

死因の急性呼吸不全の原因が、春場所の取り組みで脳しんとうになったものなのか、それとも、持病があったのかわかりませんが、いずれにせよ、相撲協会の取組における救護体制に不十分な点があったことは明らかでしょう。

 

スポーツにおいて、柔道やボクシング、レスリングなど格闘技の試合では、必ず医師が試合会場に控えています。

それは、これら格闘技スポーツは、「命の危険と隣り合わせ」と捉えられているからです。

したがって、医師が控えているのはもちろんのこと、試合会場には、AEDや救急救命講習を受けたスタッフも配置されています。

 

しかし、これまでの報道から、大相撲では、医師の待機をはじめ、こうした緊急時の対処方法に精通したスタッフ体制などは、構築されていなかったようです。

「国技」と言われる大相撲にこうした

・危険と隣り合わせのスポーツであるという認識が希薄である 

・緊急事態に備えた医療体制が不十分である

という事実は、なんだか、驚くべきことですが、これが実態のようです。

 

それにしても、今の時代、なぜ、こうしたリスク管理が大相撲協会にはなかったのでしょうか。

もしかしたら、「大相撲はスポーツでは無く文化的神事である」という意識や「昔からの因習」にとらわれている世界だからではないかと思います。

日本相撲協会の理事は、関取出身の親方ばかりで、ある意味、相撲の世界しか知りません。

したがって、他のスポーツとの比較や一般社会の価値観の変化に疎く、改革・改善意識が低いのではないかと思います。

 

日本相撲協会の組織図を確認すると、親方衆が部長などを務める事業部、審判部、指導普及部、生活指導部・・・などの各部門と元NHK会長などで構成された評議員、弁護士などによる外部役員、そして諮問機関の横綱審議委員会があります。

しかし、この体制では、組織改革や改善が有効に機能していなかったと言えると思います。

 

今回の取組み中の事故に関する体制の見直しは氷山の一角的なことで、その他にも見直しが必要な「むかしながらの体制のまま」という仕組みが、日本相撲協会にはありそうですね。
 

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