2021年4月4日付けの北海道新聞が、
「コロナで死亡 遺族の収骨認める?認めない? 割れる道内」
という見出しの記事を報じていました。
記事によれば、(※筆者編集)
◆新型コロナウイルスに感染して亡くなった人の火葬について対応が割れている
◆多くの公営の火葬場を持つ自治体が、遺族による収骨を認めていない
◆北海道内では小樽市や札幌市などが、遺族による収骨を認めていない
◆遺族からは「コロナ感染者への差別を助長するのではないか」との声が上がっている
◆小樽市は、2020年4月に内規で遺族には控室や告別室の利用、収骨を認めないと決めた
◆厚労省と経産省は、2020年7月、コロナ感染の死者の火葬ガイドラインを策定
◆ガイドでは「遺骨で感染はしない」と明確に明記し、収骨は「3密」の回避措置を求めた
◆旭川、函館、釧路、室蘭、岩見沢市などは、他の遺族との接触を減らす対策でを収骨OK
・・・
ということだそうです。
自分が自治体の火葬場行政担当職員だったら、同じような判断をする可能性があるので、一概に批判的なことはいえません。
しかし、誤解を恐れずに言えば、記事にもあるように「コロナ感染者に対する差別助長」に繋がる変な時代になったと思います。
100歩譲って、新型コロナの正体がよくわからなかった2020年3月に亡くなった志村けんさんや4月に亡くなった岡江久美子さんの頃は、「遺族が火葬場に入ることは認められず、遺骨も担当職員が玄関先において帰る(岡江さんの遺骨を自宅前で受け取った大和田獏さんの報道映像が印象的)のも仕方が無かったかと思います。
しかし、2020年7月に厚労省と経産省が火葬に関するガイドラインを発表し、「感染者の遺骨から感染することは無い」と規定しているにも関わらず、遺族の控え室の利用や収骨を認めないのは、自治体を相手取って損害賠償請求できるレベルだと思います。
(現状、裁判コストと労力、期間を考慮して訴訟を起こそうという人は殆どいないと思いますが)
記事で紹介されている北見市では、
「万が一にも職員が感染したら火葬場が閉鎖に追い込まれる」
という心配をされていますが、確率論の話になりますが、「万が一」か「億が一」か「兆が一」は別にして、「可能性ゼロ」というものごとは、ほぼありません。
言葉として使用する「100%ない」という表現は「厳密には無いとは言えないが限りなくゼロであること」を「100%ない」と表現しているに過ぎません。
別の言い方をすれば、ものごとにはいろいろな対策をしても「残留リスク」が必ずあり、それを責任者が承認して許容することで、社会は動いているのです。
遺族の控え室の利用や収骨を認めていない自治体は「内規で決めている」とのことですが、市民に賛否を問えば、「収骨を認めないのはおかしい」という割合の方が多いと思います。
新型コロナ感染症が日本において社会問題となってから約1年が経過しましたが、
・新型コロナウイルスは宿主の細胞を利用して媒介する
(したがって、宿主が死亡すればウイルスは、増殖も、活性化もしない)
・新型コロナウイルスはおおよそ発想6日目以降、感染性のあるウイルスをほぼ排出しない
・新型コロナウイルスは、エボラ出血熱のような死亡率が極めて高い感染症では無い
・・・
といったことがわかってきています。
2020年に亡くなった日本人の総数は、約138万人。
そのうち、がんで亡くなった方が約38万人で、新型コロナで亡くなった方は約9100人。
PCR検査陽性といっても、殆どの人は、「ウイルスの存在が確認できただけ」で、「医学的に感染」とはいえないものですし、さらには「偽陽性」もいます。
医療現場の実態は、各メディアの報道を中心に知るだけですが、「本人や親族の意向を無視して1日でも長く延命させること」が「当たり前の価値観」に医療業界はなっていてそれを「正義」としているようです。
キーワードを並べれば、
・新型コロナ感染に対するリスクの捉え方
・新型コロナの危険度ランク
・死者に対する尊厳の冒涜
・延命至上主義
・・・
こうしたことに、自治体責任者や医療機関責任者は、「世間の常識」や「社会のニーズ期待」をしっかりと認識して行政や医療を実施してほしいものです。
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