2021年3月22日付けの共同通信社の報道で、
「わいせつ処分隠し30年勤務 62歳講師を懲戒免職、埼玉」
という見出し記事が報じられていました。
記事によれば、(注:筆者が記事を編集)
◆埼玉県教育委員会は3月22日に、特別支援学校の男性講師を懲戒免職処分にした
◆男性は、教え子へのわいせつ行為で懲戒免職となった履歴を隠していた
◆福岡県の中学校勤務時の1985年に女子生徒にみだらな行為をして懲戒解雇された
◆1988年に埼玉県教育委員会に臨時任用され、1990年に本採用された
◆2018年に退職するまで、埼玉県内の特別支援学校5校で教諭を務めた
◆男性は、2021年1月に自ら申告してこの事実が発覚
◆40年間分の官報検索ができるようになり、過去の処分がばれると思ったことが申告理由
ということだそうです。
男性講師は、現在、「62才で特別支援学校の講師」ということですから、2018年に定年退職となって退職金をもらい、新たに臨時雇用されていた、という状況だったのでしょう。
記事にあるような「40年間分の官報検索」は、萩生田文部科学大臣が、2020年9月15日の記者会見で、
・「官報情報検索ツール」の検索期間を従来の3年から40年間変更する
・官報情報検索は、都道府県教育委員会が、過去の懲戒処分歴を確認できる
・検索期間の延長は、児童生徒等にわいせつ行為を行った教員が採用されないための措置
・2021年2月から40年間の検索が可能となった
・・・
といったことを表明したことで、検索の仕組みが変更されました。
ちなみに、現行の教員免許の資格制度では、
「教員が児童生徒に対するわいせつ行為によって教員免許を失効した場合、欠格期間は3年」
「3年を経過した後、再び免許状授与を受けることが可能」
となっているそうです。
つまり、おそらく、この男性教員も、1985年にわいせつ行為で懲戒免職処分を受け、3年経過した1988年に教員免許が「復活」したのでしょう。
想像すると、男性講師は、たぶん、2021年に63才となるので、昭和33年生まれ(1958年生まれ)です。
したがって、「特別支給の老齢厚生年金」が「63才から支給」の年代なので、今年から、満額ではありませんが(基礎年金分は65才から)、年金が支給されるのです。
つまり、「自らの申告」は、「殊勝ともいえる自白」ですが、「老後資金に目処がついたことによる安心感からの自白」とも言える気がします。
したがって、官報情報検索ツールの40年間化の効果が、早くも発揮されたともいえるニュースです。
ただ、この男性講師の1988年~2021年(懲戒免職される直前)の約32年に亘る仕事ぶりを検証し、他の「わいせつ行為により欠格要件から復帰した教員の仕事ぶり」を検証することで「欠格要件に関する改訂を検討」するべきでしょう。
この男性講師は、5校の特別支援学校で勤務していたわけで、同僚教員、校長、生徒や保護者から、仕事ぶりや評判をきちんと情報収集し、分析する必要があると思います。
「わいせつ行為は性癖だから治らない」と考える人も多いようですが、心の底から過ちを悔いた人の「教員としての復帰」を一切認めないとしたら、それもどうかと思います。
教員の業務プロセスを可視化し、しっかり管理者がマネジメントできる仕組みを作ることも必要なように思います。
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