2021年3月21日付けの朝日新聞デジタルが、

「ルネサス主力工場で火災、自動車向け半導体の生産に影響」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、

◆半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場で3月19日に火災が発生した

◆自動車向けなどの半導体をつくる生産ラインに被害があり、一部で稼働を止めている

◆操業停止が長引けば、自動車向け半導体の世界的な供給不足に拍車をかける恐れがある

◆火災は、主力の生産ラインがある建物の1階で午前2時47分ごろに出火した

◆消防などが出動し、午前8時12分ごろに鎮火を確認した

◆精密な工程を担うクリーンルームの設備などに被害があったが、詳細は不明

◆20日に警察や消防などが現場検証し、出火原因などを調べている

◆2棟ある生産棟のうち火災のあった生産棟では、ほかの階も含めて稼働を止めている

◆現在、「復旧の見通しは不明」

◆火災のなかったもうひとつの生産棟では製造や出荷に支障は出ていない

◆火災があった生産棟は、同社で最先端の半導体をつくっている

◆半導体不足の影響を受けている自動車の生産にさらなる打撃となる恐れがある

ということだそうです。

 

ご存知のように、現在、世界的に、自動車向けの半導体が不足しています。

ルネサスエレクトロニクスは、半導体生産を、海外の台湾積体電路製造(TSMC)などに委託していますが、半導体の一部を自社生産に切り替えて、生産数量を確保していたそうです。

したがって、生産再開が長引けば、一部の工場において自動車生産に影響がありそうです。

 

ルネサスエレクトロニクスのウェブサイトによれば、2021年3月20日付けで

「半導体製造工場(那珂工場)の火災発生に関するお知らせ(第二報)」

が発表されており、そこでは、

・警察及び消防の現場検証が、3月20日の午後1時頃終了

・従業員の人的被害はない

・建屋の被害はないが、純水供給装置や空調装置など及び一部製造装置に被害が出た

・出火元は、N3棟(300㎜ライン)の一部工程である、めっき装置が特定された

・原因は、めっき装置に過電流が発生したことにより発火に至った

・過電流が発生した原因や発火に至った経緯については調査中

・焼損面積、N3棟1Fのクリーンルーム面積(12,000㎡)の内、約5%に相当する

・焼損した製造装置は、11台でN3棟の全製造装置の約2%に相当する

・N3棟(300㎜ライン)は生産を停止しており、生産再開の目途は不明

・仕掛品の被害および業績等への影響は現時点で不明であり、精査中です。

・消防、警察等、関係当局のご協力のもと、原因究明を行い、再発防止に取り組む

・・・

といったことをお知らせしていました。

 

このお知らせは、組織に問題が発生した際に、世間にお知らせすべき必要事項、いわゆる「社長限界でしょ」(謝罪、調査の報告、原因の明示、改善策の提示、処分・賠償)が概ね盛り込まれています。

また、生産の再開見込みは不明なものの、被害の程度については、概要が知らされていて、わかりやすいものとなっています。

 

ちなみに、ルネサスエレクトロニクスは、マネジメントシステムの国際規格であるISO9001、ISO14001の認証を取得しています。(前者はDQS Japan、後者はJQA)

すでに、警察、消防の現場検証は終了しているとのことなので、マネジメントシステムへの影響についても、両機関には検証してもらいたいですね。

 

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