2021年3月6日付の北日本新聞が、
「日医工の処分検討 違法処理問題で日本ジェネリック製薬協会」
という見出し記事を報じていました。
記事によれば、
◆日本ジェネリック製薬協会は、日医工に対する処分を検討している
◆処分は重い順に除名、会員資格の停止、厳重注意、注意がある
◆ずさんな製造管理で健康被害を出した小林化工には2021年2月9日に除名を下している
◆日医工への処分は、富山県が発表した行政処分の内容を踏まえて厳正に対応する
◆日医工は、主力の富山第1工場で製造試験の不合格品を廃棄せずに再加工していた
◆このような違法な製造は10年以上に亘って行われていた
◆日医工は、富山県の業務停止命令を受けて富山第1工場を停止(~4月5日までの32日間)
◆製造販売業務は、3月5日~28日の停止
◆停止期間中は、従業員は作業手順書の改訂や、製造・品質管理に関する講習を受ける
◆製品供給は停止期間中でも物流センターにある商品や、卸業者の在庫品は出荷できる
ということだそうです。
それにしても、3月7日付の読売新聞の報道では、
・出荷試験で不適合があった場合は「逸脱会議」が開催され、国の未承認手順が繰り返された
・不正は、生産本部長(当時)の指示を受け、医薬品製造管理者が、主導していた
・日医工は「製造スケジュールが詰まり、出荷を優先した」などと富山県に説明している
・欠品、回収は営業部門への負担が大きく、生産部門が欠品、回収の回避を優先した
・国は少子高齢化で伸びる医療費を抑えようと、後発薬の使用を2007年頃から推進している
といったことが報じられています。
つまり、月並みですが、ニーズが増え、コストや納期に追われ、品質やコンプライアンスがおろそかにされたということでしょう。
何事もおなじことがいえますが、どこかに負荷がかかったときが、経営者や管理者は注意しなければならないのです。
今回のケースで言えば、日医工の売上げは、2005年に約243億円(当時は11月決算)だったが、2020年3月決算では、約1900億円になっていたそうです。
急激に売上げが伸びているときに、生産体制、人材育成、設備管理なども売上げ規模に応じてサイズを適切にアップさせていればいいのですが、ふつうは、難しいです。
誰かが、・・・基本的には、経営層が、社内の各部門に過剰な負荷がかかっていないか、チェックスすべきですが、日医工では、売上増加とともに「逸脱会議による不正行為件数」が増えていったそうなので、経営層のチェックが機能していなかったわけです。
国も国で、医療費削減のために、後発薬を促進する施策ならば、後発薬メーカーに対する監査体制を重点思考で、監視すべきだったと思います。
10年以上も不正が続いていたと言うことは、組織内部の監視も、行政の監視も全く機能していなかったので、関係者は反省するべきです。
それにしても、今回、日医工の社長は「現場に無理をさせすぎた」と発言しているようですが、「国の承認した製造工程を逸脱した違法な生産」がされていたことを薄々、わかっていたのではないでしょうか。
ちなみに、日医工のウェブサイトを確認すると、「CSR」という項目に「日医工グループ 6生産拠点(北海道・山形・埼玉・愛知・静岡・富山)」を対象として「ISO14001自己適合宣言」を発表しています。
このISO14001は、環境マネジメントシステム規格ですが、当然、「コンプライアンス」も要求事項には含まれており、組織の内部監査は有効に機能していなかったわけです。
したがって、今回の件を受けて、自主的に少なくとも「ISO14001自己適合宣言の一時取り下げ」を宣言するべきだと思います。
これが、認証機関に認証された「ISO14001認証」であれば、少なくとも「一時停止」措置はあるはずです。
自己適合宣言は「関係ない」と放置していて良いわけがありません。
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