2021年2月21日付の読売新聞(オンライン)が、
「川が汚れてから住民気づく…太陽光発電巡りトラブル続発、条例で規制も」
という見出し記事を報じていました。
記事によれば、
◆太陽光発電を巡り、全国で少なくとも138の自治体が、設置を規制する条例を定めていた
◆太陽光発電は、東日本大震災後、導入拡大が図られた
◆景観の問題などから各地で住民の反発が相次ぎ、自治体が、独自ルールを定めた
◆遠野市は、2020年6月に「1万平米以上の太陽光発電事業は許可しない」条例を設けた
◆背景は環境問題で、雨が降ると濁水が川に流れ込むようになった
◆濁水は流域の水田に流入したほか、川の生態系にも影響を与えた
◆ヤマメの養殖が一時停止し、アユの養殖量は減った
◆住民側は、施工会社のNECネッツエスアイに抗議し、同社は謝罪して対策を講じた
◆工事は一時中断し、調整池などの対策を実施したが、濁水は止まっていない
◆同社は2021年9月中に対策を完了させると約束する、工事は進み発電は始まった
・・・
ということのようです。
月並みですが、環境問題を考える場合は、「ゆりかごから墓場まで」で、捉えなければ、環境に対しての善し悪しを評価し、判断することは絶対にできません。
つまり、原料、製造段階、流通段階、消費者が使用する段階、最終的に廃棄する段階です。
有名な話しとして、ある石鹸メーカーが植物由来の石鹸を販売する際に「環境に優しい」と謳って宣伝したところ、環境団体から抗議された話があります。
これに関しては、環境団体の抗議は当然で、確かに、その石鹸自体は、植物由来なので、「人の肌に優しい」、「下水に流しても処理が比較的容易」という点では、「環境に優しい」のです。
しかし、原料のパームヤシは、東南アジアの山林を伐採し、パームヤシを植林したことで、山林破壊や洪水、濁水の発生という環境問題を引き起こしており、トータルで捉えれば、決して「環境に優しくない」のです。
太陽光発電も、一緒で、発電だけを狭義に捉えれば、化石燃料を使用していませんので、再生可能エネルギーです。
しかし、この記事の事例は、
『太陽光発電の建設現場は、雑木林を伐採した造成地』
です。
もともと、遊休地など、すでに造成され、使い道がない場所に太陽光パネルを建設するならともかく、「雑木林を伐採して造成」する段階で「環境に優しくない」のです。
また、仕事の関係で太陽光発電の建設に携わった人の話しだと、
◆太陽光発電設備は、ランニングコストがかかる
◆受変電設備(キュービクル式高圧受電設備)の法定耐用年数は15年
◆太陽光パネルの除草、除雪、糞害等の維持コスト
◆太陽光パネルの耐用年数は、15~20年
◆太陽光パネルは、廃棄物として環境負荷が高い(鉛、セレン、カドミウム)
◆火災時に、通常の消火活動では感電や二次災害が懸念される
・・・
といった問題があるようです。
太陽光発電に限った話しではありませんが、再生可能エネルギーの促進は、FIT法に基づき、固定価格買取制度により、多くの業者が新規参入しましたが、事業が成り立たなくなった場合、「廃墟」のように「太陽光パネルが野ざらしにされる」恐れも、あらたな環境問題となる可能性もあります。
自治体ができることは、条例で「太陽光発電の建設・設置に制限」を加えることぐらいですが、全国各地に「耐用年数を過ぎた撤去されない太陽光パネルの山」ができないような予防対策は、国が考えるべき問題でしょう。
世界的なトレンドとして、エネルギーが、再生可能エネルギーに移行し、ガソリン車から電気自動車へ移行していくのは、止められません。
ただし、月並みですが、環境問題を考えるときは、トータルで考えなければ、環境の優劣を論じることはできない、と認識することが私たちには必要なことなのです。
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