2021年1月22日の閣議後の記者会見で、麻生太郎財務相が語ったひと言が、国民をざわつかせています。

国民をざわつかせたひと言とは、記者から「特別定額給付金の再支給」について問われた麻生財務相が、

「あれは税金ではなく政府の借金でやっている。さらに借金を増やすということか」

と述べ、再支給に否定的な考えを示したひと言です。

 

現在、ネット上では、2020年4月の緊急事態宣言時に、全国民を対象に一律1人10万円の特別定額給付金が支給されましたが、2021年1月の緊急事態宣言の再発令により再支給を求める署名活動が広がっています。

 

麻生財務相は、これらの世論に対して、

◇税金でやるという発想が間違い

◇あなたのために、あなたのご子孫に借金を増やしていくということなんでしょうか

◇前回のように一律10万円というようなことをやるつもりはない

◇(困窮世帯などに絞った給付も)考えにくい

と記者会見等で述べています。

 

したがって、麻生財務相の政策は、

『雇用調整助成金や資金繰り支援の拡充』

などにより対応するという考えなのでしょう。

 

仮に、麻生財務相が、前回の特別定額給付金のために、2020年度の第1次補正予算に12.8兆円のすべてを新規国債発行で賄ったことについて

「税金でやるという発想」

「子孫に借金を増やしていくことになる」

と発言しているのであれば、世論がざわつくのは当然です。

 

そもそも「税金」とは、「国や地方公共団体が、公共投資など必要な経費をまかなうため国民から強制的に徴収する金銭」のことを指します。

しかし、「国債の発行」は、政府が資金を調達するために債券を発行することです。国債は、企業や個人などお金持ちが、元本と利子を日本国が保証してくれる安全な金融商品として、自らの意思で購入します。

したがって、「国債発行により調達する資金は国民から強制的に徴収」したものではありません。

つまり「税金ではない」のです。

 

また、「子孫に借金を増やしていくことになる」については、日本の場合、「政府の借金」は、殆どが自国通貨建ての国債です。

つまり、自国通貨を自ら発行すればいいので、返済不能に陥ることはあり得ないのです。

要は、「自国通貨建ての国債を発行している日本政府が、債務不履行=財政破綻することはない」ので、「子孫に借金を増やす」という認識も誤りなのです。

 

日本人が、政府の借金について、注視していないといけないのは、「国債残高」ではなく「インフレ率」です。

日本がインフレになりすぎているのに、財政赤字を拡大すると、当然、市中にお金があふれ、円の貨幣価値が下がり、最悪「ハイパーインフレ」となって、多くの日本人は、「貯金資産」が主体なので、紙くずと化してしまいます。

 

麻生財務相の発言は、「本当に国債の原資が税金」で、「子孫に借金を背負わせる」という誤った認識での発言なのか、それとも「国民に財政赤字が増えてヤバいことになる」との大嘘をついているのか定かではありません。

しかし、昔と違って、多くの国民は、国の財政に関するリテラシーが上がっているので、こうした発言は「政治家って大嘘つきだなぁ」と捉えられるだけでしょう。

 

話題は、全くそれますが、新型コロナについて、大手メディアの大方の論調は、

・日々感染者が増加している

・医療体制が逼迫している

・新型コロナは酷い後遺症が(多くの人に)発生する

・このまま経済を通常通り動かしていては、多くの死人が発生する

という方向の報道です。

もちろん、「ひとつひとつは間違っていない」事実でしょう。

 

しかし、例えば、現在、国やメディアが報じている「感染者数」は「PCR検査陽性者数」です。

「死者数」はもともと心臓病患者やがん患者として入院していても新型コロナに感染している患者さんが亡くなれば「新型コロナ関連死」となり死者数にカウントされています。

また、一部の学者からは「PCR検査陽性者=感染者」の中で「無症状感染者を介して感染した事例のエビデンスはない」=「無症状者は感染源とならない」という研究結果が発表されています。

 

何が言いたいかと言えば、マスメディアが報じていることのひとつひとつを捉えれば、「あながち間違っているとは言えない事実」が報じられていますが、そのまま素直に情報を捉えるだけでは、「誤った認識を理解してしまう可能性がある」ということです。

これだけ情報が氾濫する時代ですから、新型コロナにより、日本人が情報リテラシーを高める大きなきっかけになった社会的な出来事、と考えることができると思います。

 

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