2021年1月16日付けで、時事通信社が、
「全米ライフル協会、NY「脱出」 訴訟回避へ破産法申請」
という見出し記事を報じていました。
この記事によれば、
・全米ライフル協会(NRA)が15日、非営利団体登録しているニューヨーク州から「脱出」した
・脱出後は、連邦破産法11条(日本の民事再生法)を適用しテキサス州で再建する
・NRAは米国屈指の影響力を持つロビー団体
・ニューヨーク州は2020年8月にNRAの解散を提訴していた
・NRA幹部が資金を不正に流用していることが解散提訴の理由
・NRAは、財務状況は健全だと主張
・ニューヨーク州の司法長官は「NRAが責任を逃れることは許さない」と述べた
・米メディアによると、ニューヨーク州では通常、捜査中の非営利団体は移転できない
・・・
ということだそうです。
ジャーナリストの猪瀬聖氏によれば、NRAは、
・NRAは、自分たちの利益のために国民の関心の高い銃規制の問題を会員増に利用している
・会員から資金集めをしている利権団体というのが実態
・非営利団体にもかかわらず、最高経営責任者の2015年の報酬総額は、約5億円以上
・NRAの会員になると安く保険に入れるなど様々なメリットがある
といった組織だそうです。
日本で言えば、NRAは、公益財団法人やNPO法人に相当するでしょうから、本来、例えば、
・健全な銃社会の実現
・社会に対する銃文化の啓発・促進
といった理念を掲げて活動するべき団体であるはずです。
日本における「公益法人の不祥事」として思い出されるのは、2009年に発覚した「漢検協会事件」があります。
この事件は、財団法人日本漢字能力検定協会の(当時の)理事長、副理事長の父子が、親族企業に不必要な業務委託費を支払い、協会に損害を与える一方、利益を得ていたとして、背任容疑で京都地検に逮捕された事件です。
日本の財団法人は、財務を明らかにする必要があるので、NRAの最高幹部のように役員報酬を法外な額に設定できないので、ファミリー企業に不必要な業務委託費を支払うという手法で、背任行為を行ったのだと思います。
おそらく、ニューヨーク州の場合も、不透明な財務状況があり、NRAを提訴していたのでしょう。
アメリカの事情はわかりませんが、状況から想像すると、テキサス州は、NRAの再建を受け入れてはダメでしょう。
それにしても、税制が優遇される公益法人や宗教法人は、真っ当な団体も数多くあると思いますが、建前論を前面に押し出して、実質的には「利権団体」と化しているNRAのような団体がゴマンとあるのでしょう。
・財務の透明性
・利害関係のない社外役員の選任
・利害関係のない評議員の選任
・有効性のある内部監査、第三者監査の実施
という仕組みが、より効果的に機能するよう、制度改善をしていくべきなのでしょうね。
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