2021年1月4日付けの毎日新聞が、
「総務省が「スマホ乗り換え相談所」設置へ 各社プラン、中立で比較」
という見出しの記事を報道していました。
記事によれば、
◆総務省は今夏にも、携帯電話の乗り換え手続きを支援する試験事業を始める
◆相談所は、中立の立場で各社のサービスを比較して、利用者に適した変更を後押しする
◆政府が税金を投じ、民間サービスを比較する場を設けるのは異例
◆「相談所」は、複数の保険会社の商品を扱う「保険ショップ」の役割を想定している
◆販売代理店が個別に大手携帯会社と契約しており、他社のプランは紹介していない
◆携帯電話のプランは、割引を受けるのにさまざまな条件が付くなど複雑
◆相談所を通じて個々に最もお得なプランを勧めるなどして携帯会社間の競争を促す
◆相談所は、全国3カ所以上に開設し、運営は民間に委託(量販店など)する方針
◆総務省は、比較できるシステムの構築費用や人件費など約1億4000万円を負担する
◆中立性を保てるビジネスモデルや運営事業者の資格制度などについても検討する
・・・
ということのようです。
記事を読んでの感想ですが、
・総論として、このような「相談所」を設置することには賛成
・相談所が全国3カ所程度では、携帯の乗り換え支援としての利便性が低い
・独立行政法人国民生活センターなど既存の組織を活用できないのだろうか
といったことが、まず、頭に浮かびました。
ただ、携帯電話料金は、「多くの国民の身近な関心事」であることは待ちがいないですが、「なぜ、携帯電話にだけ、このような民間サービスの比較相談所」を設けるのか、総務省の真の狙いが読めません。
総務省が「携帯電話料金の比較と各消費者の最適化」を試験的に事業化する狙いは、ふつうに考えれば、
『キャリア間の乗り換え推進』
でしょう。
従来までのように、携帯ショップに利用者が相談に行ったのでは、「プランの変更提案」はされますが、総務省が期待する「キャリア変更」には繋がりません。
そこで、「中立的な立場で利用者のこれまでの利用状況から最適なキャリアとプランを提案してくれる相談所」を、税金を投入して実施したいのでしょう。
要は「相談所設置は利用者の生活に合った携帯を快適に選んでもらうため」ということになり、趣旨としては結構なことです。
しかし、このような観点で「相談所の意義」を考えるとするならば、携帯料金だけでなく、国民に身近なサービスとして、例えば、生命保険、損害保険、電気料金、住まい選び、・・・など「中立的な立場で民間サービスを比較検討する相談所」は、他にももっと必要だと思うのです。
日本国憲法で、勤労の義務、納税の義務が国民にはありますから、ハローワークの設置は、国民の自立を支援する上で必要だと思います。
ただ、今回の携帯電話を含めて、複数の選択肢がある民間サービスは、基本的には、「自己責任」で選択するべきものに思います。
したがって、私見ですが、今回の「乗り換え相談所」に関しては、
・「スマホ乗り換え相談所」は、期間限定の公的サービスとすべき
・「相談所」開設期間終了後は、国民生活センターなど既存の公的組織に引き継がせるべき
・総務省のサイトに、適したプランを提案するシミュレーションソフトを導入すべき
・「スマホ乗り換え相談士」(仮称)資格を創設して、市役所などに配置する
といった政策がよいのではないかと思います。
それにしても、これからの時代、「利害関係なく対面式で相談する」ことは、「贅沢」なことで、基本的には、「自分で比較検討するしかない」ので、そうした判断力を成長過程で身に付けていくことが重要なのでしょうね。
【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと』
(ブイツーソリューション刊)
http://www.v2-solution.com/booklist/978-4-434-26285-2.html
“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001