個人的な昔話です。
25~6年前、私が勤務していた職場では、会社が携帯電話を数台契約していて、出張に行くときは、出張者に貸し出す仕組みにしていました。

当時、携帯電話を個人所有する人は少なく、出張が少ない、あるいは、出張と言っても2~3時間の会議や訪問をするだけの業務負荷が極めて軽い部署には、「携帯貸し出し」自体が認められていなかったので、他部門からは「携帯が使えていいな」とつまらない羨望の目で見られていました。

私が所属していた部署は、当時、仕事がとてもハードで、内勤は殆どなかったので、「形態は遊びで使っているんじゃないから、何言ってるんだ」という気持ちでした。

 

ただ、そのうち、どこかからか、チクリが入り、貸出された携帯を業務以外で使っているという噂話が出てきて、「通話時間と通話先を報告するルール」になりました。

私たちは、「なんで、クソ忙しいのに、余計な仕事(通話先の記録)を増やすんだ」と憤慨し、中には、「じゃ、携帯を持っていかない」と言い出す同僚も出てきて、逆に連絡が取りずらくなり困ったものでした。

 

そのうち、私の所属部署の業績が上がり出すと、今度は、元々私の部署の事業推進に反対していた役員の子飼いの課長が私の部門に送り込まれました。

何をするのかとチェックしていたら、彼がした仕事は「携帯電話の通話記録の監視」でした。この頃には、通話記録がNTTから発行される時代になったので、「適正な携帯電話の使用をしているのか確認する」のが彼の仕事だったわけです。

私たち平社員からしたら、「せいぜい、月額2万円程度の通話料をチェックして、何になるの?そんなことする暇があったら、課長なんだから他のことをして、うちの部門の仕事をやりやすくしてよ」と陰では文句を言っていました。

その数年後に、私はその職場を退職して同業他社に転職してしましたが、今振り返っても「不思議な管理をしていた職場」でした。

 

その後、コンサルティングや監査あるいは業務委託を通じて、例えば、「コピー枚数の適正化チェック」、「名刺発行枚数の適正化チェック」を環境マネジメントの一般として(例:紙の使用量削減というお題目)している職場に出会いました。

結論から言えば、精神論、業務管理論、環境負荷削減の原理原則論からいえば、「管理すべきもの」に相当するでしょう。

しかし、そもそも、「その組織のコピー枚数に伴う経費」が年間トータルで、50万円程度で、そのうち、本来業務に関係のないコピー枚数が仮に2%あったとしても「1万円/年」です。

 

これが、AIなどを駆使して、自動的に管理できるならいいですが、「使用枚数や使用用途」を手書きで「コピー台帳」なるものに記録させて数値管理する意味は、業務上の費用対効果を考えれば、殆どありません。

社内ルールとして「私用のコピーは厳禁」と決めておけばいい程度の話でしょう。

 

名刺管理も同様です。

確かに、個人的な付き合いで、異業種交流会など業務以外の飲み会に参加して名刺を配りまくるのは、業務上、問題です。

また、営業職、技術営業職、事務職、現場職など職種別に、ある程度の名刺利用量を把握し、極めて多い人に注意を促す、といった名刺の発行管理は必要でしょう。

しかし、これも、程度問題で、本来なら名刺交換すべき人にも、名刺を配らないのはビジネス上のコミュニケーション上問題がありますし、1箱(100枚)1500円程度の名刺を厳密に枚数管理する意味は、「仕事の心得」としては必要ですが、組織全体の便益を総合的に考えればほとんど意味を成しません。

 

組織規模にもよりますが、こうしたビジネス上、意味がない管理をやり出す(やっている)組織は、平和すぎる組織か末期症状であることが多いのがこれまでの経験です。

自分の組織や関係する組織がこうなっていないか、こうなっているとヤバいぞ、と思った方がいいのかもしれません。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ692号より)

 

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