組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「審査プログラムにおけるリスクに応じたサンプリング頻度」について。
認証機関の認定基準である「ISO17021-1:2015」(適合性評価−マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項−第1部:要求事項)では、
(以下、規格から引用)
9.1.3 審査プログラム 9.1.3.2
分野固有の認証スキームによって・・ 中略 ・・ それに続く周期は 、 再認証の決定から
始まる審査プログラムの決定及びその後の調整では、実証したマネジメントシステムの有効性のレベル、及び以前に実施した全ての審査の結果に加え、依頼者の規模、そのマネジメントシステムの適用範囲及び複雑さ、並びに製品及びプロセスを考慮しなければならない
(引用ここまで)
という規定があります。
めちゃくちゃ、ざっくりと解釈すると、
・審査プログラムを作成する際は、製品やプロセスを一律にしないでください
・優先順位の付け方としては、MSの有効レベル、以前の審査結果を考慮する
・その他の優先順位としては、依頼者の規模、適用範囲の複雑さを考慮する
ということになるでしょう。
よくあるパターンは、卸売業において、医薬品、食料品、家電製品、事務用品を扱っているサイトが多数ある組織です。
マネジメントシステムの審査においては、仕組みが類似していれば、「サンプリング可能」となります。
つまり、卸売業の場合、倉庫や卸売販売(支店、営業所)の拠点が複数ある場合、「倉庫サイト」や「卸売サイト」で区分けして、それぞれをサンプリングする計画で審査プログラムを作成することは可能でしょう。
しかし、ある倉庫、あるいは、支店・営業所(卸売)では、医薬品のみ、その他の拠点では、事務用品、家電製品、食料品を扱っているというような場合、「サンプリング計画を一律の頻度にしてよいかどうか」という懸念です。
これが「製造業」(医薬品、食料品、家電製品、事務用品)であれば、製品が違うのでサンプリングは通常できませんが、「販売業」、「倉庫業」という概念で捉えると「サンプリング可能としていても変ではない」でしょう。
ただ、その際に、販売や倉庫で取り扱う製品のリスク、マネジメント上の複雑さを考慮すれば、「一律のサンプリング頻度でOK」というのは、少し乱暴かもしれません。
月並みですが、ISO認証に対する顧客や潜在的顧客はもちろん社会の期待や信頼性を考えれば、認証機関はこうした点も考慮して、審査プログラムを作成し、専門性のある適切な審査チーム編成をするべきです。
しかし、ISOの取得ブームとなった際に、このような点を考慮せずに、雑なサンプリング計画で審査を実施する認証機関が、安い価格ではびこり、適格性を重視していた認証機関も、事業防衛のために、泥試合に参戦してしまいました。
その結果、ISO認証業界は、報酬的には魅力のない世界になってしまったことが、残念でなりません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ722号より)
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