2020年11月18日付けの朝日新聞デジタルが、

「豚解体容疑の技能実習生、全員を不起訴処分に 前橋地検」

という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば、

・「と畜場法」違反容疑で逮捕されたベトナム国籍の技能実習生4人が不起訴になった

・捜査関係者によると、豚の毛は見つかったが解体した客観的な証拠は見つからなかった

・SNSに投稿された解体の様子から投稿日はわかったが解体日は特定できなかった

・北関東では家畜の大量窃盗事件が相次いでいる

・SNSに投稿された画像と4人のアパートが似ている

ということのようです。

 

素人の発想ですが、この事件の「可能性」を考えると、

・違法に豚が解体された→と畜場法違反

・家畜が盗まれた→窃盗罪

・豚舎の鍵や柵を破壊して侵入した→器物損壊罪

・営業許可なく食肉処理、食肉販売した→食品衛生法違反

・解体した豚の廃棄物を不法投棄した→廃棄物処理法違反

・オーバーステイ等不法滞在→入管法違反

などの「罪」を犯している可能性があります。

 

記事にあるように「解体した日がわからなかった」、「解体した客観的証拠はなかった」というのは、法律家の立場で捉えると「裁判を維持できるだけの証拠がない」という理屈かもしれませんが、4人のうち「解体したこと」を認めているものもおり、「自供」しているわけですから、「これじゃ、犯罪者のやり得じゃん」となってしまいます。

また、法治国家として、と畜場法違反以外にも、「罪を犯している可能性」があるわけで、つまり、「法の下の不平等」が生じてる可能性があり、「日本人及び日本に滞在するまじめな人間」からすれば、「不公平感」がある話です。

 

技能実習生は、実質的にいまや、日本の産業を支える貴重な労働者となっていますし、雇う側と雇われる側がしっかりしていて、日本の企業で技術をしっかり学び、自国に帰国して活躍されている真面目な実習生がたくさんいるでしょう。

しかし、一方、こうした犯罪が「おとがめなし」となってしまえば「ずる賢い技能実習生」が今後現れ、日本の治安を脅かすことに繋がりかねません。

 

また、被害に遭った酪農家からすれば、「犯人の可能性がある一味が無罪放免」となったことで、不安はつのるばかりで、「また盗まれるかもしれない」と考えれば、夜は安心して眠れません。

また、豚舎に消毒など衛生管理をせずに、外部の人間が侵入すれば、豚熱をはじめ、家畜伝染病のリスクもあり、仮に家畜に、なんらかの疾病が発生した場合、履歴が追えず、伝染病が拡大する危険性もあります。

 

それにしても、「不起訴処分の理由」はなぜ、明らかにされないのでしょう。

勝手に想像すると、

・技能実習生が低賃金で使われている現状

・技能実習生の労務環境としてひどい実態が一部にある現状

・技能実習生の扱いが国際問題となる可能性

・・・

などを勘案して、検察は、政治家や法務省に忖度したのかもしれません。

 

「外国人の犯罪」といえば、バブル期は、イラン人やフィリピン人のイメージがあり、最近は、中国人ですが、実態としては、犯罪率としてはベトナム人がトップになっているようです。

10月に、管総理は「就任後初の外遊地」としてベトナムを訪問して「連携強化」に合意してきたことをメディアが報じていました。

菅政権の就任後、初外交の成果に水を差すようなことはしたくなかった、というのが検察の本音ではないでしょうか。

 

この「不起訴」は、「国民の疑問」と「国民の治安に対する不安」が数多くあることは確実なので、与野党関係なく、国会で追及してほしいものです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ725号より)

 

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