組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「現場確認が難しい一時的サイト」について。
ISOマネジメントシステムでは、「一時サイト」について、以下のように定義しています。
《一時的サイト》
「依頼組織が限定された期間内に、特定の業務又はサービスを提供する(物理的又は仮想の)場所で、常設サイトになることが意図されていないものである」
以前のコラム(自分を変える気づきロジカルシンキングのススメ(2019年5月19日付))では、一時サイトの事例を以下のように挙げています。
http://blog.logcom.jp/?eid=867817
「一時的サイトにおける業務の事例」
・ビルメンテナンスなど清掃業
・警備業
・製造業における据付や保守メンテナンス
・水道メーター、ガスメーター、電気メーターなどの検針業務
・依頼者の敷地にある電気工作物など法律に基づく点検、検査、試験
・訪問医療、健康診断、介護
・運送業、航空貨物・海運業における積込、荷降ろし、運行中
・鉄道、航空、バス、タクシー、船舶などの旅客サービス
・情報システムの運用管理・保守メンテナンス
・税理士など士業、専門コンサルタントの巡回指導
・イベントの開催、開催支援サービス
・外部の会場を使用して実施する講演会、講習会、セミナー
・塾の訪問指導
・自動車教習所の路上教習
・環境調査、地質調査(ボーリング)、測量など
・保険サービス
・・・・・
など。
言わずもがなですが、一時サイトの審査目的を大雑把に捉えれば、
「訪問しないことで認証の信頼性が損なわれる」
「組織のMS上の問題が発生した場合、訪問審査していないことがリスクとなる」
という点を担保するため一時サイトの審査を実施するわけです。
しかし、現実的には、一時サイトに審査員が立ち入ろうとした場合、
・個人情報や機微な情報を扱っている
(例:生命保険サービス、金融サービス、医療サービス、葬儀サービス(湯灌)など)
・機密度の高い企業情報を扱っている
(例:会計サービス、弁護士事務所、特許事務所など)
・人体への危険度が高い現場
(例:放射線除染サービス、鉱物採掘現場、災害救助現場、山岳ガイドなど)
・季節的な業務で発生頻度が少ない
(例:除雪サービス、ビアガーデン、海の家など)
・・・
といった理由で、審査で訪問が実現できていない現場があります。
もちろん、国際的な審査ルール(IAF MD5:2015(9.3項))では、
・一時サイトにおける顧客との面談、電話会議
・一時サイトにおける活動記録のレビュー
・一時サイトの審査に関する電子的なサイトへの遠隔アクセス
・テレビ、電話等による確認(いわゆるリモート審査)
といった直接的な訪問以外の方法でも、審査の信頼性が担保できると認証機関が判断すれば審査は可能です。
ただ、個人的には、「すべて書類だけ」、「すべて顧客との面談だけ」といった審査の方法論は、認証審査の信頼性の観点から微妙な気はします。
例えば、生命保険サービスで、契約者に「不適切募集の有無」を電話面談で確認したとしても、記録に残るものは結果なので、サービスを提供しているプロセスそのものは、適切かどうか、訪問でしかわからない点もあるように思います。
いずれにせよ、認証機関は、審査手順や審査プログラムで、「一時サイトの審査方針とその計画」を明確にして審査管理することが重要なことは間違いありません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ706号より)
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