組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「認証の移転(認証機関のお引越し)」について。
ISOマネジメントシステム認証制度の場合、「認証の移転(認証機関のお引越し)」という制度があります。
要は、例えば、ある登録組織が、現在、「A認証機関」で認証審査を受け、ISOの登録証を発行されている場合、「B認証機関」に認証機関を変更すること(俗に、認証機関のお引越し、鞍替え、等と呼ばれている)ができるのです。
では、「なぜ、登録組織は、認証の移転」を実施するのでしょうか?
認証の移転をしたことがある組織にお伺いすると、
・マネジメントシステムの有効性を改善したい
・長期に亘って同じ認証機関で審査を受けていたので、別の視点で審査をして欲しい
・認証登録に関するコスト改善(例:地元在住の審査員により経費を下げたい)
といった理由が多いようです。
登録組織が実施する一般的な「認証の移転」の流れは、以下のようになります。
1)マネジメントシステム審査申込(移転申請)を移転先の認証機関に提出
2)移転先認証機関による移転調査(書類確認(訪問の場合もある))の受審
・登録証(付属書含む)のコピー
・直近の再認証審査、及びその後の定期審査に関する記録
(審査報告書、審査計画書のコピー、不適合及び是正処置の記録のコピー)
・マネジメントシステムのマニュアル、組織図、会社パンフレット、製品カタログ等
3)認証の可否が認証機関によって判定される(判定委員会、登録決定会議など)
4)移転先の認証機関から登録証が発行される
移転先の認証機関の立場でいえば、上記の流れの中で懸念されるのは、
・登録組織が受けた苦情や登録組織に関する苦情等の情報
・QMS/EMSの統合マネジメントシステムの場合、統合レベルはどの程度なのか
・その他に、移転元認証機関が保有する情報(審査プログラム等)
・移転元認証機関との連携(移転先登録証の発行と移転元登録証の取消のタイミング)
についてです。
ひと昔前は、登録組織の認証機関の移転は、「秘密裡」に実施されていた時期がありました。
登録組織からすれば、移転できなかった場合、現在の認証機関から次回審査で厳しく審査されることへの脅威がありますし、移転先からしたら、移転元から登録移転に関して妨害されることを恐れたわけです。
そのため、登録証のコピーや審査報告書(審査計画、是正記録含む)を組織が移転先機関へ提出すれば、移転が認められた時代もありました。
しかし、それでは、審査報告書からは読み取れない移転元機関が持つ情報(機関に寄せられている苦情情報、統合マネジメントシステムの場合の統合レベル等)がわからないのです。
そこで、現在では、移転元機関と移転先機関は、連携することがIAF(国際認定機関協議会)では求められています。
もちろん、組織の立場では、移転先機関に「認証移転に関して、移転元機関と連携(移転元機関との連絡(情報授受や移転完了連絡など)する手順はありますか?」などといった質問はできませんので、そこは認定機関にしっかり検証してもらうしかないですね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ711号より)
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